三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「ネタニヤフ氏、ガザの子ども救う野外病院の開設阻止」

2024年07月20日 | 国家・社会
https://www.afpbb.com/articles/-/3529800
「AFP」 2024年7月19日 15:15 発信地:エルサレム/中東・アフリカ
■ネタニヤフ氏、ガザの子ども救う野外病院の開設阻止
【7月19日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は18日、国内にパレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)地区の子どもたちを救う野外病院を開設するというヨアブ・ガラント(Yoav Gallant)国防相の命令を覆した。当局が明らかにした。
 ネタニヤフ氏とガラント氏は長年のライバル。民間人死者数の多さから国際的な非難を浴びるガザ侵攻への対応をめぐり、ネタニヤフ政権が内部分裂していることが改めて浮き彫りになった。
 ガラント氏は今週、ガザの病気の子どもたちを治療する「臨時病院」の開設を命じたと発表した。
 17日の政府発表によると、ガラント氏は米国のロイド・オースティン(Lloyd Austin)との電話会談で、野外病院開設について協議した。
 複数の報道によると、病院はガザとの境界近くに建設され、同地区では治療を受けられないがんや糖尿病などを患う子どもたちを救うはずだった。
 だが、首相府は18日、「(ネタニヤフ氏は)イスラエル領内にガザ住民のための病院を設置するのを認めていないため、設置されることはない」と唐突に発表した。
 ある政府関係者は匿名を条件にAFPに語ったところによると、まず国防省が2週間前に首相府に対し、ガザからの「病気の子どもをはじめとする患者の退避を加速する」よう求めた。
 政府関係者は「返答がなかったため、ガラント国防相は病気の子どもたちのための当面の解決策として、イスラエル領内に野外病院を開設するよう軍に命じた」「ネタニヤフ首相はこの命令を取り消し、政治的な理由で人道的解決策を阻止した」と説明した。


「The Hankyoreh」 2024-07-18 10:22
■イスラエル、戦闘に勝っても戦争には負けている
 二つの戦争(上)ガザ戦争
 
 イスラエル、ガザ戦争の目標達成を目指す 
 ハマスは帰還し、住民の支持が拡大 
 北部ではヒスボラとの全面戦争に備える

【写真】14日、パレスチナのガザ地区中部のヌセイラトで男性が負傷した子どもを抱いて歩いている。男性の周辺にイスラエル軍の空爆を受けた国連が運営する学校一帯に集まった人たちの姿がみえる/ロイター・聯合ニュース

<2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻戦争に続き、2023年10月7日に起きたパレスチナのガザ戦争は終わらず、国際社会を冷戦終結後最大の陣営対決と混乱に追い込んでいる。米国が主導する西側は、ロシアに前例のない制裁を加えてウクライナを支援しているが、ロシア側に戦況が有利に傾いている。米国などの支援を受けているイスラエルはガザ地区を焦土化したが、戦争を終わらせられず、泥沼に陥っている。転換点に入ったウクライナ戦争とガザ戦争の実状を点検する>
 「暗殺はイスラエル国防軍(IDF)がガザ地区全域において、持続的かつ変化に富む軍事的圧力の一環だ。毎日数多くのハマスの死者が発生している」
 イスラエル軍が、イスラム組織ハマスの中心的な軍事指揮官であるムハンマド・デイフの除去のために自分たちが「人道主義区域」に指定したマワシ地区を空爆した翌日の14日、イスラエル軍のヘルジ・ハレビ総司令官はこのように述べた。しかしハレビ司令官はデイフが死亡したかどうかは確認できなかった。この作戦で死亡した民間人は90人を超える。
 イスラエルはガザ戦争で罠に陥っている。
 昨年10月7日のガザ戦争勃発から9カ月以上経過したが、イスラエルが戦争目標に掲げたイスラム組織ハマスの撲滅は遠のき、甚大な被害を受けたパレスチナの住民の間では、ハマス支持が広がっている。
 イスラエル軍は今月10日、ガザ地区最大の都市ガザ市の住民に再度の疎開命令を出した。イスラエル軍は声明を出し、ハマスに加え別のイスラム組織であるパレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)に対する「対テロ作戦を遂行している」として、住民にふたたび南に避難するよう要求した。
 イスラエル軍は戦争初期、ガザ地区北部のガザ市に大々的に侵攻し、住民の多数を南に疎開させ、ハマス掃討作戦を行った。イスラエルは当時、ガザ市を焦土化してハマスを追い出したと主張した。しかしハマスは帰還し、イスラエルは戻ってきた住民をふたたび追い出している。
 これに先立ち、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は先月24日、ガザ地区でのハマスとの戦闘は「激烈な局面」がほぼ終わり、兵力をヒスボラに対抗するためにレバノンと国境を接する北部地域に移動できると宣言していた。ガザ地区での大規模な戦闘局面終息の宣言は無意味となった。
 イスラエルはそれまでに4万人の兵力を投入し、ガザ地区の住民230万人の80%を難民にして、3万8000人(民間人が70%)を殺害し、少なくとも7万トンの爆弾を投下した。第2次世界大戦時に、英国のロンドンとドイツのドレスデンとハンブルクに投下された爆弾より多い。ビルの半分以上は破壊され、水・電気・燃料を遮断し、住民の飢えを引き起こす作戦も展開した。
 ガザ戦争は4月から膠着状態に陥り始めた。イスラエルは戦争初期に北部から南部に向けて掃討し、ガザの住民120万人を南端のラファに追い込み、最大の攻撃を加えようとした。
 しかし、民間人の被害を懸念する米国と国際社会の警告と反発によって停滞した。このころから、イスラエルは戦闘では勝利しているが、戦争には負けているという評価が、西側メディアでも指摘され始めた。ニューヨーク・タイムズは4月、「イスラエルは人質釈放とハマス破壊という戦争の2つの目的を達成することに失敗した。その反面、パレスチナの苦難は、同盟国においてでさえその(イスラエル)支持を薄れさせた」と評した。
 捕らえられた人質253人のうち109人は、昨年11月の1週間の休戦の際に、パレスチナ人収監者との対等交換で解放された。その後、3人だけが軍事作戦で解放され、12人は遺体で発見された。遺体で発見された人のうち3人は、イスラエル軍の作戦によって犠牲になった。残りの人質は129人だが、イスラエルはそのうち少なくとも34人が死亡したと推定している。
 イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は10日、議会でハマスの戦闘員の60%が死亡または負傷したと主張した。イスラエル軍は、ハマスの構成員の死者は4月時点では約1万3000人、現在は1万4000人だと主張した。米国シカゴ大学のロバート・ペイプ教授は「フォーリン・アフェアーズ」に先月寄稿した「ハマスが勝っている」と題する論稿で、ハマスは健在であり、住民の支持を広げたと評した。ハマスは死亡した構成員は6000~8000人だと明らかにしており、米国の情報当局は1万人水準とみている。ハマスはガザ地区で現時点でも1万5000人の構成員を動員する能力があり、ガザ地区のハマスのトンネルの80%は今でも稼動している。
 ペイプ教授は「ハマス勝利」の理由として、ハマスは構成員の多くを失ったが、今でも構成員を補充する能力があり、このような能力の背景には、住民の間に広がっている支持があると分析する。パレスチナ政策調査研究センター(PSR)の調査によると、ハマスはガザ戦争を誘発した昨年10月7日のイスラエル奇襲攻撃後、支持率が倍になった。この攻撃前の昨年6月は支持率が20%で、ヨルダン川西岸地区を統治する競合勢力であるファタハと同水準だったが、1年後の6月には40%対20%になった。3月の調査では、パレスチナ住民の73%が、ハマスの昨年10月の攻撃は正当だったと信じていた。さらに住民の53%は、イスラエルの民間人に対する攻撃も支持すると明らかにした。

【写真】14日、イスラエル軍の戦車がパレスチナのガザ地区の境界に移動している/AFP・聯合ニュース

 これは、ガザ戦争後に住民がイスラエルから受けた苦痛と悲劇のためだ。ガザ住民の60%が少なくとも家族のうち1人を失い、75%は家族に負傷者や死者がいる。
 イスラエルがガザ戦争で罠に陥ったもう一つ理由は、終戦後の計画や出口戦略がないためだ。イスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安保補佐官は5月末、「ガザでの戦闘は、2024年中は続くだろう」とし、「少なくとも7カ月以上は続くだろう」と述べた。戦争の目標を達成できないばかりか、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は戦争が終われば退陣するしかないため、戦争を終わらせる計画も名目もないからだ。11月初めに米国大統領選の結果が出るまでは待つということだ。
 米国のジョー・バイデン政権は、ヨルダン川西岸地区を統治するパレスチナ自治政府の勢力にガザ地区の統治を任せようとしているが、ネタニヤフ首相と極右内閣は激しく反対している。イタマル・ベングビール国家安全保障相ら極右勢力は、ガザ地区を完全占領してイスラエルの領土にすべきだと主張している。ネタニヤフ首相は、これは自分の立場ではないと主張するが、イスラエルはガザ地区の現実をそちらに追い込んでいる。
 イスラエルはすでに昨年末から、ガザ地区の周囲と中央を貫く回廊に幅1キロメートルの緩衝地帯を建て、恒久的な軍事占領の基盤を作った。長さが約40キロメートル、幅が5~12キロメートルにすぎないガザ地区の周辺と中央に、幅1キロメートルの緩衝地帯を設置することは、ガザの住民にとっては領土の大幅な縮小だけでなく、生活の断絶と孤立を意味する。
 ワシントンの中東研究所エイヤル・ルリー=パルデス研究員は「イスラエルの主な目標はガザ地区の西岸地区化」だと指摘した。イスラエルは、パレスチナの独立国の領土になるヨルダン川西岸地区の60%以上を占領して細分化しており、西岸地区のパレスチナ住民たちは細かく分かれた土地に孤立して生活している。ドーハ研究所のハニ・アワド氏は、イスラエルの目標は「パレスチナ住民を最大限、民族的に浄化すること」だと指摘した。
 イスラエルは現在、ガザ地区から兵力を撤退させてレバノンと国境を接する北部に配置し、レバノンのシーア派組織ヒスボラとの全面戦争を備えていると、イスラエルのメディアは報じている。イスラエルはガザ戦争初期には、国際社会の非難をそらすため、ヒスボラとの衝突を拒まなかったが、この衝突で北部から自国民10万人が難民となる事態に直面した。いまやヒスボラとの全面戦争も、イスラエルにとっては避けられない罠となっている。イスラエルは、ガザ戦争に加えヒスボラとの戦争拡大という「2つの罠」に陥っている。
チョン・ウイギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1149244.htm
l韓国語原文入力:2024-07-16 09:52


「中央日報日本語版」 2024.07.17 16:38
■「戦争終わらせよ」追い詰められるハマス指導者…イスラエルのガザ地区空爆は続く
 パレスチナのイスラム組織ハマスのガザ地区最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏が内部で戦争を終わらせるべきとの圧迫を受けているという外信報道が出てきた。米国をはじめとする仲介国は交渉の核心人物であるシンワル氏が置かれたこうした状況が、膠着状態に陥った停戦合意にどのような影響を及ぼすのか注目している。
 CNNによると、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は13日にアイダホ州サンバレーで開かれた非公開会議でこのように明らかにした。CNNは会議に参加した消息筋の話として「CIAはシンワル氏が部下の軍指揮官から戦争を終わらせるよう圧迫を受けていると判断している」と伝えた。
 バーンズ局長はこの席で「シンワル氏は死を恐れないと話しているが、ガザ地区住民らの苦痛が大きくなっていることに対する責任があるという批判に直面している」と話したという。これに対しCNNは「シンワル氏が内部で圧迫を受けている点は新しく出てきた事実。戦争に疲れたハイレベル指揮官もこうした主張をしているとみられる」と説明した。停戦交渉のカギを握っているシンワル氏は現在ガザ地区ハンユニスのトンネルに潜伏しているとされる。
 シンワル氏がこうした状況に置かれたのはハマスとイスラエルが停戦案の基本枠組みに合意したことに伴ったものとみられる。ハマスが今月に入り「永久終戦」の要求から一歩後退する兆しを見せるなど交渉の可能性が大きくなり、強硬論を掲げるのが難しくなったという意味だ。
 こうした理由から停戦交渉を主導してきたバーンズ局長は「合意の可能性がいつになく大きい」と最近明らかにした。イスラエルのネタニヤフ首相もやはりハマスに拘束されている人質を救うため停戦交渉にもっと積極的に出るべきいという圧力を受けているからだ。
 問題はイスラエルがガザ地区に対する空爆を止めていない点だ。この日もイスラエル軍は人道主義区域を含むガザ地区各地を空爆し最小60人が死亡した。イスラエル軍のガザ地区空襲が連日続き、ハマスは最近「民間人密集区域に対する爆撃は大量虐殺」としながら当分停戦協議に入らないと通告した。ただイスラエルが交渉に真摯に臨むならば会談を再開するという条件を付けた。
 これと関連し、ワシントン・ポストは「交渉進展も進展だが今後数週間以内に劇的に停戦が実現するとしてもそれからが問題。戦後のガザ地区をだれが管理するのか決まっていない状況でバイデン政権が(仲介国として)やるべきことは山積している」と指摘した。

◇国連「ガザ地区で妊婦数万人が食料危機」
 一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)はこの日、ガザ地区全体で食料不足が深刻で妊産婦が飢餓の危機に直面していると発表した。OCHAによると、毎日平均180人が劣悪な医療条件の中で出産しており、病院がイスラエル軍の空爆にさらされており状況はさらに悪化している。
 OCHAは「ガザ地区で出産関連医療サービスは病院11カ所と野戦病院の一部だけで可能な状況。これら医療施設さえも燃料不足でインキュベーターなど必須装備の作動が難しい」と懸念している。


「中央日報日本語版」 2023.11.09 08:03
■イスラエル「ガザ心臓部で作戦…ハマスの最高指導者は地下に孤立」

【写真】イスラエル軍の主力戦車メルカバ数台が10月29日にガザ地区に近いジキムの海岸へ移動している。[X キャプチャー]

 イスラエルがパレスチナのイスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区北部最大の都市ガザ市を完全に包囲し中心部で作戦を行っている。イスラエルは具体的な作戦位置とともにハマス最高指導者が孤立状態であることを明らかにしながら市街戦の開始を公式化した。ガザ市内の人命被害がさらに増える可能性にバイデン米大統領は3日間の休戦を要求したが、イスラエルのネタニヤフ首相は戦闘をやめないと明らかにした。

【写真】イスラエル軍、ガザ市で地上作戦を行う姿を公開

 ロイター通信とニューヨーク・タイムズなどが7日に伝えたところによると、イスラエルがガザ地区に地上軍を投じてから11日ぶりにハマスの拠点と推定されるガザ市中心部まで進撃した。ネタニヤフ首相はこの日"「ガザ市は包囲され、わが軍がその中で作戦を遂行している。ハマスが決して到達できないだろうと考えた地点まで達した」と明らかにした。イスラエルのガラント国防相はより具体的に「イスラエル軍が徒歩あるいは装甲車・戦車などに乗って進入し、いまガザ市の心臓部で罠を引き締めている」と伝えた。
 イスラエルはこれまでガザ地区に投入された軍部隊の正確な位置を公開していなかったが、この日は首相と国防相が同時にガザ市内で作戦が進行中だと確認した。イスラエルの保安消息筋は地下トンネルを無力化するのに集中したイスラエル軍がいまは地上戦の次の段階を始めたと伝えた。市街戦が開始されたという意味だ。米戦争研究所(ISW)もこの日イスラエル軍がガザ市内アルシャティ難民キャンプ、アルクドゥス病院周辺などでハマスなどと交戦を繰り広げたと伝えた。
 ガラント国防相はハマスの最高指導者であるヤヒヤ・シンワル氏が孤立状態だと伝えながらハマスのあごの下まで到達したことを強調した。彼は「シンワルは地下トンネルに隠れており、彼と連絡がつかずハマスの命令体系が弱まっている」と主張した。シンワル氏は先月7日にイスラエルの民間人1400人を殺害した奇襲攻撃を企画した人物で、ネタニヤフ首相は「リトル・ヒトラー」と非難した。
 これに対してこの日ハマスはシンワル氏の身辺に対し具体的な言及はしなかった。ただハマス戦闘員が地下トンネルを利用してイスラエル軍の戦車などを待ち伏せ攻撃していると伝えた。
 BBCはガザ市を包囲したイスラエル軍が市街戦を開始したからと近くハマスが完全に崩壊するという意味ではないと指摘した。面積45平方キロメートルのガザ市はハマスの巨大な要塞も同様だ。ハマスは病院や学校などの地下に最大深さ80メートル、総延長数百キロメートルのトンネルを作り、武器倉庫や通信室などを設けた。トンネルに潜伏した彼らを掃討するには最大数カ月がかかるだろうという見方が出ている。
 イスラエル軍のハガリ報道官もこの日「われわれは今回の作戦で成功を収めているが、戦争は長くなるだろう」とした。合わせてこの1カ月間の空爆と地上作戦を通じてハマスの主要指揮官を相当多く除去したと主張した。ハマスの兵力は約3万人と推定される。イスラエル軍は地上戦開始後に31人が死亡したとタイムズ・オブ・イスラエルが8日に伝えた。
 ガザ市で市街戦が始まったことで民間人とハマスに拘束された人質に対する安全への懸念がさらに大きくなり、国際社会では緊急休戦を促している。米メディアのアクシオスによると、イスラエルを支持するバイデン米大統領は6日にネタニヤフ首相との電話会談で人質解放に向けハマスとの交戦を3日間中断するよう提案した。
 しかしネタニヤフ首相は拘束された人質240人を全員解放しない限り、休戦も燃料搬入もしないという立場を明らかにした。彼は「私たちは止まらない。ハマスの軍事力と統治能力を除去するだろう」と強調した。ハガリ報道官も「ハマスのテロリストらは自ら休戦があると話すが、休戦はない」と述べた。
 イスラエル軍はガザ市内の民間人に再度南に退避するよう呼び掛けた。BBCによると、ここにはまだ民間人約50万人が残っている。ガザ地区南側に対するイスラエルの空爆も続いている。ハマスが実効支配するするガザ地区の保健当局はこの日、イスラエル軍が南部のカーンユニスとラファなどを空爆し最小23人が死亡したと発表した。ガザ地区保健省の集計によると、先月7日ハマスの攻勢後イスラエルの攻撃によりガザ地区で死亡した人の数は1万人を超えた。


■イスラエル、ガザに新たな攻撃 米国務長官「民間人犠牲に懸念」

【写真】イスラエル軍は15日、13日に実施したイスラム組織ハマスの軍事部門トップであるハンマド・デイフ指導者を標的とした空爆に続き、パレスチナ自治区ガザの南部と中部を攻撃した。(2024年 ロイター/Hatem Khaled)© Thomson Reuters
 Nidal al-Mughrabi Ramadan Abed

 [カイロ/ガザ 15日 ロイター] - イスラエル軍は15日、13日に実施したイスラム組織ハマスの軍事部門トップであるハンマド・デイフ指導者を標的とした空爆に続き、パレスチナ自治区ガザの南部と中部を攻撃した。
 パレスチナ当局は、13日の攻撃で少なくとも90人が死亡し、数百人が負傷したと発表。現場にいたロイター記者が撮影した映像には、住民が煙炎の中、負傷者や死者が運び出される様子が映っていた。
 南部ラファでは15日、住民によると、イスラエル軍が西部・中部地区にある家屋を数軒破壊。医療関係者によると、東部地区でパレスチナ人の遺体10体を収容した。
 同軍はまた、ガザ中心部のブレイジおよびマガジ難民キャンプへの空爆と戦車砲撃を強化。保健当局の発表によると、マガジ難民キャンプへの空爆でパレスチナ人5人が死亡した。
 パレスチナ保健当局によると、中心部のヌセイラートキャンプの家屋に対するイスラエル軍の空爆でパレスチナ人11人が死亡した。
 イスラエル軍は、ガザ全域の数十カ所を標的とした空爆により、多数の武装勢力を殺害したと発表。時にはラファとガザ中心部で接近戦を行い、武装勢力を殺害したという。
 武装組織「イスラム聖戦」の軍事部門クッズ旅団によると、同部門の戦闘員がラファのヤブナキャンプで激しい戦闘を行った。
 一方、米国務省によると、ブリンケン国務長官は15日にワシントンでイスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問およびロン・デルメル戦略問題担当相と会談し、イスラエルとハマスの停戦協定に関する意見相違を埋めるための「われわれの念頭にある現実的な解決策」について話し合った。
 ブリンケン氏はまた、デイフ指導者を標的としたイスラエルの攻撃を受けて「ガザにおける最近の民間人犠牲者について深刻な懸念」も表明したという。


「AFP」 2024年7月15日 17:39 発信地:パレスチナ自治区
■イスラエル軍、ガザ学校をまた空爆 15人死亡 8日間で5回目

【写真】イスラエル軍の空爆を受けたパレスチナ自治区ガザ地区中部ヌイセラト難民キャンプのアブ・アラバン学校で負傷し、病院で治療を受けるパレスチナ人の子ども(2024年7月14日撮影)。(c) Eyad BABA / AFP
【写真】イスラエル軍の空爆を受けたパレスチナ自治区ガザ地区中部ヌイセラト難民キャンプのアブ・アラバン学校で、表情をゆがめるパレスチナ人の女性(2024年7月14日撮影)。(c) Eyad BABA / AFP 
【写真】イスラエル軍の空爆を受けたパレスチナ自治区ガザ地区中部ヌイセラト難民キャンプのアブ・アラバン学校(2024年7月14日撮影)。(c) Eyad BABA / AFP 

【7月15日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の民間防衛当局は14日、イスラエル軍によるガザ中部ヌイセラト(Nuseirat)難民キャンプにある学校への空爆で15人が死亡したと発表した。
 攻撃されたのは国連(UN)が運営するアブ・アラバン(Abu Araban)学校で、パレスチナ人の避難先となっていた。
 イスラエル軍はこの8日間で計5回、こうした学校施設を攻撃している。
 民間防衛当局者は、同校には「避難民数千人」がいたとAFPに語った。ほとんどの死者は女性と子どもだという。
 AFPTVの映像によると、3階建ての建物のベランダには衣類や寝具が干してあった。国連のロゴが入った壁は吹き飛ばされ、部屋の内部は損壊していた。
 イスラエル軍は今月6日、同じくヌイセラトでUNRWAが運営するジャウニ(Al-Jawni)学校を攻撃した。UNRWAによると、当時ここには約2000人が避難していた。
 ガザ民間防衛局によると翌7日には、ガザ市(Gaza City)の聖家族学校(Holy Family School)が攻撃されて4人が死亡した他、9日にもガザ南部ハンユニス(Khan Yunis)の学校への空爆で29人が死亡している。
 イスラエル側は、ハマスが学校、病院などの公共施設を拠点に活動していると主張しているが、ハマス側はこの非難を否定している。


「AFP」 2024年7月15日 13:47 発信地:パレスチナ自治区

■ハマス、停戦交渉を離脱と警告 民間人「虐殺」受け


【写真】イスラエル軍の空爆を受けたパレスチナ自治区ガザ中部ヌイセラトの、避難所として使われている国連(UN)運営の学校(2024年7月14日撮影)。(c)Eyad BABA / AFP
【写真】パレスチナ自治区ガザ南部のマワシ避難民キャンプで、イスラエル軍の空爆を受けたテントの残骸を見る住民(2024年7月14日撮影)。(c)Bashar TALEB / AFP 

【7月15日 AFP】イスラム組織ハマス(Hamas)の当局者は14日、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)での戦闘をめぐるイスラエルとの停戦交渉を離脱すると警告した。ハマスの軍事部門トップを標的にした空爆で多数が死亡したり、学校が繰り返し攻撃されたりしていることなどを理由に挙げた。
 イスラエル軍は13日、ハマスの軍事部門トップ、モハメド・デイフ(Mohammed Deif)氏を標的に南部マワシ(Al-Mawasi)地区を空爆。ハマスの保健当局によると、少なくとも92人が死亡した。
 デイフ氏は無事で、職務を続けているとされる。
 イスラエル軍は翌14日には中部ヌイセラト(Nuseirat)難民キャンプにある国連(UN)運営の学校を攻撃。イスラエルは、戦闘員らが「隠れ家」として学校を利用していたと主張した。
 ガザの民間防衛当局によれば、この攻撃で15人が死亡。避難民が身を寄せる学校が攻撃されるのは、1週間余りで5度目となった。
 ハマス当局者は、カタールを拠点とする最高指導者イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniyeh)氏の話として、「イスラエルの真剣さの欠如、継続的な引き延ばしと妨害の方針、非武装の民間人に対する継続的な虐殺」が交渉離脱を決めた理由だと述べた。
 一方でハニヤ氏は仲介国に、イスラエル政府が「停戦合意と捕虜交換合意の締結に向け本気になる」なら、「交渉再開の用意はある」と話したという。
 停戦に向けた協議はカタールとエジプトが仲介役を務め、米国の支援も受けながら数か月にわたり続けられている。


「NHK NEWSWEB」 2024年7月15日 5時56分 
■イスラエル軍の空爆にハマス側は反発も 停戦交渉立て直せるか
 イスラエル軍がイスラム組織ハマスの軍事部門のトップをねらってガザ地区を空爆し多くの死傷者が出たことに、ハマス側は反発を強めながらも、停戦などに向けた交渉を継続する立場を示していて、仲介国などが交渉の立て直しを図れるかが焦点となっています。
 イスラエル軍は13日にガザ地区南部のハンユニスで、ハマスの軍事部門のトップ、デイフ司令官らを標的にした空爆を行い、ガザ地区の保健当局は多くの住民が巻き込まれて、少なくとも90人が死亡し、300人がけがをしたと明らかにしました。
 イスラエル軍は14日、この空爆でデイフ司令官の側近を殺害したと発表しましたが、司令官本人については殺害したという確証が得られていないとしています。
 一方のハマス側は、アラブ系メディアなどに対し「司令官は無事だ」と主張していて、情報戦の様相も見せています。
 ハマスはイスラエルへの反発を強めていますが、停戦などに向けた交渉について、一部のメディアがハマス側が中断を示唆していると報じたことに対しては、ハマスの幹部が14日の声明で「事実ではない」と否定し、交渉を継続する立場を示しています。
 ただ、イスラエル軍は14日もガザ地区中部のヌセイラトで多くの住民が避難する学校を空爆し、パレスチナのメディアは女性や子どもなど少なくとも15人が死亡したと伝えています。
 軍事的圧力を強めるイスラエルにハマスが不信感を募らせる中、カタールなどの仲介国やイスラエルを支援するアメリカが、交渉の立て直しを図れるかが焦点となっています。


「AFP」 2024年7月14日 10:31 発信地:パレスチナ自治区
■イスラエル、ハマス幹部標的に空爆 90人死亡

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部のマワシ避難民キャンプで、イスラエル軍の空爆を受けたテントや仮設住宅の残骸を見る住民(2024年7月13日撮影)。(c)Bashar TALEB / AFP
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部のマワシ避難民キャンプで、イスラエル軍の空爆後に血に染まった地面を見る住民(2024年7月13日撮影)。(c)Bashar TALEB / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスで、イスラエル軍の空爆で負傷した子どもを病院へ運ぶ女性(2024年7月13日撮影)。(c)Eyad BABA / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスの病院で、親族の死を嘆く女性(2024年7月13日撮影)。(c)Eyad BABA / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスの病院で、子どもの遺体を囲む人々(2024年7月13日撮影)。(c)Eyad BABA / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ市のシャティ避難民キャンプがイスラエル軍の空爆を受け、犠牲となった男性の遺体(2024年7月13日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 

【7月14日 AFP】イスラエルは13日、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)南部でイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事部門トップ、モハメド・デイフ(Mohammed Deif)氏を標的に空爆を実施した。ただ同氏の生死については「確証がない」としている。当局によると、この空爆で避難キャンプで少なくとも90人が死亡した。
 イスラエル軍は、デイフ氏とハマスのハンユニス(Khan Yunis)旅団幹部のラファ・サラマ(Rafa Salama)氏を標的にしたと発表した。同軍は2人を「(昨年)10月7日の大虐殺の首謀者」と呼んでいる。
 2人の生死は不明。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は13日夜、2人がこの攻撃で死亡したか「確証はない」と述べた。
 イスラエル軍が空爆を実施したマワシ(Al-Mawasi)地区は、同軍が「安全地帯」に指定し、援助団体によれば数十万人が避難していた。エジプトなど周辺国は、同地区で死者が出たことを非難した。
 ガザ保健当局によると、マワシ地区では少なくとも90人が死亡。うち女性と子どもが半数以上を占めるという。また、300人が負傷した。AFPは死傷者数を独自に確認できていない。
 イスラエル軍はデイフ氏を標的とした攻撃について、「攻撃された地域は開けた場所で、木々に囲まれ、いくつかの建物や小屋があった。テント群ではなく、作戦施設だった」と主張した。
 ハマスは声明で、イスラエルがデイフ氏を標的にしたという主張を否定し、「恐ろしい虐殺を隠蔽(いんぺい)する」のが目的だと述べた。
 ガザ北部のガザ市(Gaza City)とその周辺でも、数週間にわたって激しい戦闘が続いている。民間防衛局は13日、シャティ(Al-Shati)避難民キャンプへの攻撃で少なくとも20人が死亡したと発表した。


「毎日新聞」 2024/7/13 20:36
■ガザ南部ハンユニスでイスラエル軍の空爆 71人死亡、289人けが

【写真】イスラエル軍の攻撃を受けたとされる現場で、負傷した人を運ぶ人々=パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスで13日、ロイター

 ガザ保健当局は13日、パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスでイスラエル軍の空爆があり、少なくとも71人が死亡、289人が負傷したと明らかにした。イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの軍事部門トップ、ムハンマド・デイフ氏らを狙ったと主張。ハマス高官はイスラエルの主張を否定し、民間人が犠牲になったと反論した。
 イスラエルメディアによると、デイフ氏らは、イスラエル軍が「人道地区」と称し、避難先に指定しているマワシ地区とハンユニスの間にある低層ビルにいた。空爆が行われた際、付近には十数人のハマスの関係者もいたという。
 デイフ氏はハマスの最高幹部の一人。1987年にハマスに入り、95年以降はイスラエルに対して自爆テロを主導してきたとされる。2002年にハマスの軍事部門トップに就くと、地下トンネル網の整備などを進めてきた。
 イスラエルは今回の戦闘以前からデイフ氏の暗殺を試みてきたが、そのたびに難を逃れてきたため、「不死身の戦士」として知られる。写真は公式には公開されていないが、度重なる攻撃により片目が見えなくなり、足も不自由になったと言われている。
 仮に殺害されたとすれば、イスラエル軍にとっては大きな「戦果」と言えるが、ハマスが反発を強めるのは必至で、停戦交渉に影響が出る可能性もある。【エルサレム松岡大地、カイロ金子淳】


「AFP」 2024年7月10日 19:50 発信地:イスラエル
■イスラエル、UNRWA本部建物を攻撃 ハマスら拠点と主張

【写真】パレスチナ自治区ガザ市にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部建物。写真編集はイスラエル軍が確認(2024年2月8日撮影)。(c)JACK GUEZ / AFP

【7月10日 AFP】イスラエルは9日夜、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部ガザ市にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部建物を攻撃したと発表した。
 イスラエル軍は、同市とガザ地区南部で数万人を対象に避難指示を出し、それぞれの地域で攻撃を激化させている。
 UNRWA本部への攻撃についてイスラエルは、イスラム組織ハマス(Hamas)とイスラム聖戦(Islamic Jihad)が本部建物を拠点として利用しているとし、内部で活動する戦闘員を狙ったものだと説明。作戦により戦闘員は「排除」され、建物からは「大量の兵器」が見つかったとした。
 UNRWAは昨年10月から建物を管理できていない。イスラエル軍は今年2月、本部の地下にハマスが作ったトンネルを見つけたと発表している。
 UNRWAは、攻撃についてコメントを出していない。ただ、ハマスやイスラム聖戦が本部建物を利用しているとのイスラエルの主張については、以前から「確認するすべがない」としている。


「AFP」 2024年7月9日 18:16 発信地:ガザ市/パレスチナ自治区
■ガザ市住民「もはやどこへ?」 イスラエル軍、3度目の退避警告 

【写真】パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市東部トゥファ地区で、ロバに荷車を引かせて避難する一家(2024年7月8日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP
【写真】イスラエル軍の攻撃で破壊されたパレスチナ自治区ガザ地区のガザ市東部トゥファ地区(2024年7月8日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市東部トゥファ地区で、小麦を入れた袋を車いすに乗せて歩く女性(2024年7月8日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】イスラエル軍の空爆で、パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市中心部から上がる煙(2024年7月8日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市東部トゥファ地区で、イスラエル軍の攻撃で犠牲になった人の遺体を毛布で運ぶ住民(2024年7月8日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP  
【写真】イスラエル軍の攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザ地区のガザ市から避難する人々(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】イスラエル軍の攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザ地区のガザ市(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 

【7月9日 AFP】ロバに引かせた荷車、自転車、徒歩──パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)最大の街、ガザ市から8日、大勢のパレスチナ人が避難した。
 ガザ紛争が始まってから、イスラエルがガザ市に対し、退避を警告したのは3度目だが、今回は市の大部分からの退去を命じている。
 しかし、すでに同市には、戦火で荒廃したガザ地区各所から無数の家族が避難している。
「もはや、どこに行けばいいんだ?」。そう嘆いたアブドラ・カマッシュさんは、最近身を寄せていた避難所を午前3時に後にした。
 イスラエル軍の戦車は、戦闘機とドローン攻撃の援護を受けながら、ガザ市中心部へ入った。同軍報道官はサブラ(Sabra)、リマル(Rimal)、タル・ハワ(Tal Al-Hawa)、ダラジ(Al-Daraj)地区の住民に「人道地帯」へ避難するよう警告した。
 イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザ地区の民間防衛当局は、避難警告が出る前から、市内各地で計「数十人」の死傷者が報告されていると述べた。
 エルサレム・中東聖公会のエルサレム教区は声明で、7日に市内のアハリ・アラブ(Ahli Arab)病院付近で「無人機から大量の攻撃」があった後、イスラエル軍が同病院に避難を命じたと伝えた。病院は「閉鎖を余儀なくされ」、機能していないという。
 国連(UN)によると、ガザ地区で現在機能している病院は半数以下で、しかも部分的な運営に限られている。同教区は「病気やけがをした人々には選択肢がほとんどない」と訴えた。
 イスラエル軍は先月27日に避難命令を出したガザ市のシュジャイヤ(Shujaiya)地区で、約2週間にわたって攻勢を続けており、最新の戦闘では「テロリスト」数十人を「排除」したと発表している。
 作戦の標的には、ガザ市にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部も含まれている。対象となる目標については、ハマスの施設や戦闘員の存在を示唆する情報に基づいているという。
 ガザ市住民のムハンマド・ビサンさんは「戦闘機の空爆、砲撃、ドローンも四方八方から発砲してくる。右に行こうが左に行こうが、どこに逃げればいいのか分からない」とAFPに語った。
 別の住民カマシュさんは、イスラエル軍は「ここを離れて別の地域へ移動しろと言うが、すると彼らはその方向からやって来る」といら立ちをにじませた。
 家族で「路上で寝ていると、私たちを気の毒に思った人々が毛布をくれた。私たちはまた、こうしてがれきの中で暮らしている」とカマシュさんは語った。
 腕にプラスチックの袋を抱えた彼は「これから何が起こるか、神のみぞ知る。私たちを生き埋めにして、終わりにしてほしい」と言った。


「AFP」 2024年7月8日 14:28 発信地:パレスチナ自治区
■2日連続で学校爆撃、4人死亡 ガザ地区

【写真】イスラエル軍に爆撃された、ラテン・エルサレム総主教庁が運営する聖家族学校。パレスチナ自治区ガザ市で(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP
【写真】イスラエル軍に爆撃された、ラテン・エルサレム総主教庁が運営する聖家族学校で遺体を収容する人々。パレスチナ自治区ガザ市で(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】イスラエル軍に爆撃された、ラテン・エルサレム総主教庁が運営する聖家族学校で消火するガザの民間防衛当局職員。パレスチナ自治区ガザ市で(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】イスラエル軍に爆撃された、ラテン・エルサレム総主教庁が運営する聖家族学校一帯から逃げる女性。パレスチナ自治区ガザ市で(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】イスラエル軍に爆撃された、ラテン・エルサレム総主教庁が運営する聖家族学校を見る女性。パレスチナ自治区ガザ市で(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 
【写真】イスラエル軍に爆撃された、ラテン・エルサレム総主教庁が運営する聖家族学校で少女を慰める女性。パレスチナ自治区ガザ市で(2024年7月7日撮影)。(c)Omar AL-QATTAA / AFP 

【7月8日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の民間防衛当局は7日、多数の避難者がいたガザ市(Gaza City)の聖家族学校(Holy Family School)がイスラエル軍の爆撃を受け、4人が死亡したと発表した。ガザで学校が攻撃されるのは2日連続。
 イスラエル軍は、「学校一帯」を攻撃したと認めた上で、学校は武装勢力の隠れ家であり、「ハマスの武器製造施設」が置かれていたと主張した。
 ガザの民間防衛当局は、7日の犠牲者にはハマスの労働当局幹部が含まれているとした。
 学校を所有するキリスト教会のラテン・エルサレム総主教庁(Latin Patriarchate of Jerusalem)によると、ガザで戦闘が始まって以来、学校には多数の民間人が身を寄せていた。
 同教会は「ラテン・エルサレム総主教庁は、市民を標的にすること、もしくは民間人を戦闘に巻き込まない努力を怠った戦闘行為を最も強い言葉で非難する」との声明を出した。
 ガザ当局によると、6日には国連(UN)運営の学校がイスラエル軍の空爆を受け、16人が死亡、75人が負傷した。その際もイスラエル軍は、攻撃は避難民の中に紛れ、学校に隠れている武装勢力を狙ったものと主張ししていた。


「AFP」 2024年7月5日 13:05 発信地:エルサレム
■イスラエル、「違法」入植地3か所承認 ヨルダン川西岸

【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、イスラエルによる占領地に建てられたユダヤ人入植地マーレアドゥミム(2024年6月28日撮影)。(c)AHMAD GHARABLI / AFP
【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ナブルス付近の学校から、イスラエルによるユダヤ人入植地を眺める生徒たち(2024年5月23日撮影)。(c)Jaafar ASHTIYEH / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ヘブロン付近の村から見たイスラエルによるユダヤ人入植地(2024年4月25日撮影)。(c)HAZEM BADER / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラ付近の村から見たイスラエルによるユダヤ人入植地(2024年3月22日撮影)。(c)Zain JAAFAR / AFP 
【写真】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ベツレヘムにあるパレスチナ人の町に造られた、イスラエルによるユダヤ人入植地(2024年3月6日撮影)。(c)HAZEM BADER / AFP 

【7月5日 AFP】イスラエル当局は4日、占領下に置くパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)にあり、イスラエルでも違法とされていた入植地3か所を承認した。同国の入植活動を監視する国内NGO「ピース・ナウ(Peace Now)」が発表した。同団体はこの動きについて、パレスチナ自治区「併合」計画の新たな段階だと批判している。
 今回合法化されたのは、既存の入植地の端に位置する入植地マハネガディ(Mahane Gadi)、ギブアットハン(Givat Han)、ケデムアラバ(Kedem Arava)の3か所。これらは。
 当局はまた、既存の入植地での住宅5295棟の追加建設も承認した。
 イスラエルが1967年以来占領している西岸のすべてのユダヤ人入植地は、イスラエル当局の許可の有無にかかわらず、国際法違反と見なされている。
 西岸には、テント数張りから、電気・水道などに接続したプレハブ小屋の集落まで、イスラエルデモ違法とされる入植地が数十か所出現している。
 ピース・ナウは今回の措置について、「西岸で進行中の併合を強調する動きだ」と指摘。「イスラエル政府は、占領下の西岸におけるゲームのルールを変え続け、取り返しのつかない損害をもたらしている」と批判した。
 パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの紛争を受け、西岸でもすでに緊張が高まっている。
 そうした中、「併合論を唱えるイスラエル政府は、イスラエル人とパレスチナ人双方の安全と未来を著しく損なっており、今後何世代にもわたってこの無謀さの代償を払わされることになるだろう」とピース・ナウは警告した。
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