三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「記憶」と「歴史」の陰で“厄災”の現実は今も続く 3 

2009年06月18日 | 海南島近現代史研究会
■世界と歴史をもう一度直視するための原点
 この稿を書いている2009年1月現在、イスラエルは陸海空軍を総動員してパレスチナ・ガザ地区を封鎖し続けた上での総攻撃を続けている。「神に選別されたユダヤ人」という政治イデオロギーによって、軍事的にはハイテクを駆使して反占領の抵抗勢力を「テロリスト」と呼んで掃討しようというのだ。
 しかし、その反占領で闘う者を「テロリスト」と呼ぶことで民族と領土を占領支配する戦争犯罪「国家」イスラエルは、ユダヤ人たちが差別排外されて流浪して来た歴史的な悲惨と経験をすら投げ捨てさせられ、「ユダヤ人=神の選民」と言う特権的な「物語神話」に踊らされて、今、アラブパレスチナの人々を民族的に虐殺し続ける酷薄さを生きている。これこそ、反占領の民族意識をもった住民全てを「テロリスト」と呼んで民族虐殺を続ける「国家的な狂気」としか言いようのないところまで「物語神話」による「認識」をイデオロギー化してしまっている実態が現れているのである。
 この攻撃を受けるまでガザ地区の住民は、18ヶ月にわたる封鎖で食料や医薬品を初めとするあらゆる社会生活基盤を欠落させられていた。国連難民支援機構でさえガザ地区総体が「青空監獄」化していると窮状を訴え続けて来た。しかし、そんな人権擁護の良心の声すらも、国連安保理では米国の拒否権行使で再三封殺され、この暴虐に怒る人々もイスラエルの一方的な軍事力展開を抵抗勢力の「テロリスト」を懲らしめる「反テロ」戦争の一つだから仕方がないし、声を上げても「また無視されてしまう」と黙認して済ませてしまう。これが、事実への無知から始まる「認識」や「記憶」で作り上げた「物語神話」を信じてしまうことで、二重の犯罪を行うことになっていく。それが、「物語神話」を操作する奴らによって、パレスチナ・ガザ地区住民への民族圧殺政策を強化する凶器の原動力の一つにされていることを思うと、怒りで身震いが起こる。
 そして、その身震いを、過去の浅はかな「認識」や「記憶」を破壊することで世界と歴史をもう一度直視するための原点にして再出発しなければならないと、改めて決意しなおす。

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