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山梨県衛生環境研究所で、平成22(2010年)第54号 年報(平成23年8月11日)が掲載されています。
前記事のコメントで衛生環境研究所が導入した放射線量測定器に触れました。この件については書かれていませんが、2010年度年報、【はじめに 】 から引用しておきます。二番目の「放射能試験」は 【業務報告 p.12】 からです。

 東日本大震災で大きな被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。  この地震により発生した大津波は、東日本各地の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。また、東京電力福島第一原子力発電所では、大量の放射性物質の放出を伴う重大な原子力事故が発生して、周辺一帯の住民の方々は、いつ戻ることができるのかわからない避難を余儀なくされました。この放射性物質による汚染問題は、かってのスリーマイル島の原子力発電所や、チェルノブイリの事故レべルを超えるものとなってしまいました。

 今回の事故は、我々地方の衛生環境研究所にも大きな社会的使命を与えました。すなわち環境中の放射線量の測定をはじめ、飲料水や食品類、農畜産物などの放射性物質量について必要とされる検査を行い、県民の皆様の安心・安全を確保する観点から的確な情報を発信していくことであります。このため、現在までに、検査機器の増設や人員の確保等、検査体制を関係機関とともに整えてまいりました。結果の迅速な提供につとめてまいるところであります。

 さて、今更申すまでもありませんが当研究所は、保健分野と環境分野をあわせもった合併型の地方研究所であり、また、県民の健康と安全を守るための中核となる検査研究機関であります。―方、行政施策に必要な科学的根拠の提供を行うという使命も担っています。・・・【以下省略】 ・・・
平成 23年7月 山梨県衛生環境研究所、所長名

放射能試験
 文部科学省の事業としてモニタリングポスト1局で放射線を常時監視した。また、土壌や食品、飲用水など環境試料延べ36検体の放射性元素を測定した。さらの月間降下物、大気浮遊じん、降水、空間線量を延べ96回測定した。以上の結果は、文部科学省 から公表される。

「はじめに」 に書かれているように平成22年度末の「3.11」 は平成23年度の研究所業務に大きな影響をもたらしています。ここに述べられている「検査機器の増設」は、今年度の業務内容になりますからこの報告書にはありません。
しかし、いみじくもここに書かれているような使命を考慮すれば、増設された放射能測定器について県民やひいては県外から県産品を求める方々に明確に知らせて安心を高める努力はすべきです。
おそらく東都生協の商品検査ページに写真が掲載されているようなゲルマニウム半導体検出器でしょう。この写真を見た時に山梨県衛生環境研究所での測定状況がニュースで流れた時に映っていた機器を思い出しました。

東都生協の機器はセイコー・イージーアンドジー社製とのことですが、社名が分かるだけでも検索していくと多数の記事が出てきます。
◇ 栃木県-農業試験場における農産物等の放射性物質検査の開始について、導入機器 ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメーター(セイコー・イージーアンドジー社製) 2011年8月9日発表
気になる放射線計測機材の件 2011年7月31日、この記事の内容はかなり気になります。もう少し検索していくとこの記事は、柳瀬川のほとり 2011年4月16日 ブログ記事のコメントに書かれている 「投稿: 小松梨津子 | 2011年7月24日」 が出典だろうと思います。

アメリカ製かフランス製かドイツ製か、そういうことが実は放射線計測では関係するらしいと分かると、製品名が公開されていない測定結果について信頼度はガクンと落ちるでしょう。記事にあるように1500万円かどうかはわかりませんが、高額な税金の使い方がそれで良かったのかどうかという、きわどい問題にもなりかねません。

山梨県と環境衛生研究所にお願いしたいことは、2点です・・・
 1) 空間放射線測定設備、地上十数mと地上1mの写真や測定方法について、他都市のホームページも参考にされて公開されること
 2) 増設された放射線測定器についての詳細情報を県民に知らせること

なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも、ならぬは人のなさぬなりけり

蛇足ですが、私は放射線計測機器のハードもソフトも何も知りません。私がクライアントさんから新規購入パソコンの選定を任された時に考えるような事から類推しているだけです。



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