2024年2月14日 産経新聞
「ラーメン2000円に対し、富士山の価値はこんなに低いのか」 登山通行料巡り、山梨県の長崎幸太郎知事 山梨県が富士登山の通行料として1人当たり2000円をこの夏から徴収する方針に対し、地元や富士山関係者から、金額などに異論が出ていることについて、長崎幸太郎知事は14日の定例記者会見で「今やラーメンですら1杯2000円がどうだという問題になっている中、富士山の価値はこんなに低いのかとあえて問いかけたい」とし、金額は高くなく、妥当との見解を示した。
山梨県は2月定例県議会に、来訪者管理や混雑防止を目的に、富士登山通行料徴収などの関連条例案や予算案を提出している。これに対し、有識者でつくる富士山世界文化遺産学術会議の会合や地元関係者からは通行料2000円の根拠や、金額の決定をもっと慎重に行うべきだといった意見が出ていた。
長崎氏は通行料は「今後実施する安全対策なども含め、必要な経費を積み上げた」と根拠を説明した。さらに「(登山者が)今までよりも多く負担しても十分満足できるような登山環境をしっかり作っていくことが本質で、安ければ安い方がいいという考え方からは決別すべきだ」と強調。県議会でも議論していくこともあり、「いずれ理解される」と語った。
山梨県・
記者会見『知事記者会見は、ライブ配信を下記のリンクから視聴できますので、ぜひご覧ください。』
長崎幸太郎知事が
令和6年2月14日の知事会見 でご発言された内容を掲載しておきます。
質問内容・
富士山登山の通行料について記者
富士山の規制の通行料2000円の件で、予算でも2000円を基に計上されていると思うのですが、一方で地元関係者への取材をすると、もう少し慎重な議論をして欲しいという声がいまだに聞こえるんですけれども、2000円というものが地元の理解を得られているかどうか、進捗を伺えればと思います。
知事
2000円は必要な経費、これからやるべきことのコストも含めて積み上げたものであって、これはいずれ理解はされると思いますし、これから県議会もありますので、そこでしっかり議論がされるんだと思います。
ただ、今や、ラーメンですら一杯2000円がどうだっていう問題になっているぐらいの話ですから、富士山の価値はそんなに低いものなのかと、私はあえて問いかけたいと思います。
ちなみに、来訪客の抑制効果が出てくるのは7000円を超えてからだという京都大学の先生の試算値もあるわけですが、少なくとも2000円を出しても、今までよりも多く負担しても、十分満足できるような登山環境を、我々はしっかり作っていくと、そちらがむしろ本質で、安けりゃ安い方がいいっていうのは、ちょっとそういう考え方からは、いずれにしても決別するべきだと、そういう時が来ていると私は考えています。