ICT工夫
全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ




20080912a2008年9月12日に主催・(財)やまなし産業支援機構、会場・桜座で開催されたので参加しました。

このイベント案内は山梨県庁サイトでも2008年8月20日には「元気な商店街創造セミナーを開催します!」と詳細情報がでていました。

講演のタイトルは、「全員参加によるまちづくりと商店街の役割」、講師は(有)プロセスデザイン研究所を主宰される百武ひろ子さんでした。早稲田大学芸術学校/都市デザイン科、NPO法人合意形成マネジメント協会などに関係しておられる方です。


20080912b14:00~16:10の予定時間は二部に分かれていました。第1部の講演はパワーポイント映像による判りやすいお話。

パワーポイント資料から「講演のポイント」を引用させていただきます。
 1.まちなか問題をまち全体で考える
 2.つかい手が主役のまちづくりへ
 3.成功の鍵をにぎる「いい話しあい」のつくり方
 4.リーダーを育てる土壌をつくる
 5.いろいろな人が参加できるいろいろな参加の仕方

私が目からウロコと感じたのは、まちは「つくって」できるのではなく、「つかって」生きる、「つかう」という観点からまちなかを変える、と示唆された事です。確かに私のように街づくりに直接関係しない者が中心市街地活性化のことなどWebページに書くのは、街を使っているだけの立場で、これは素晴らしいとかこれは変だとか言っているに過ぎません。時には私ごときが何を書いても・・・と思わないでも無いのですが、「ワタシ使う人」でいいじゃないか、それはパソコンやソフトやインターネットについてあれこれ書いたり言うのと同じじゃないか、とインターネット・オタクの私は自分で納得しました。

百武さんは「つかう」市民にまちづくりに参加してもらうこと、市民、商業者、行政など中心市街地に関わる人々が合意形成をはかりながら異なる知恵と活動を持ち寄りムーブメントをつくっていく事が必要と説かれました。これが「全員参加による・・・」の意味であり、今日の講演の中心的テーマとして「参加型合意形成」について実に詳しく解説、説明されたのです。

今日のセミナーは金曜日の午後という時間帯でしたから、地元商店街の方や学生さんの他は県庁、商工会議所など行政関係の方々が多かったようです。その方々にとって、普通の会議と参加型合意形成の違いとか、納得のいく合意形成をもたらす話し合いのプロセスの大事さなどのお話は、それこそ「納得」できるものであったに違いないと私は思います。

休憩を挟んで後半では参加者全員から「街づくりのために自分は何をしたいか、しているか」を書いたメモを提出させ、ボードに張り出して一つずつ紹介されていきました。
メモは55件、前半の講演だけ聞いて帰られた方もあったようですが、第2部にもその人数の参加者が残っていたことになります。 何人かの参加者にはそのメモの内容について説明を求めたり、それにコメントしたりしながら進行されました。

残念ながら予定時間が来てしまったのですが(写真のタイムスタンプは16:20)、この後半の意見交換スタイルは実にユニークでした。「全員参加による・・・」という主題を見事に実践された事を感じました。参加者の皆さんもおそらく「センセイの言う通りにしなくちゃ・・・」、と学生時代に戻って懸命にメモを書いたのではないかと思います(^o^)

今日のセミナーの収穫としては上に書いたようなことです。参加型合意形成による街づくりを、「街を使う」人々の全員参加をも視野に入れながら進めていく、その方法論が明確に示されたものだということです。甲府中心市街地活性化に関係したイベントに私もこれまでにいくつか参加してきましたが、今日は実に新鮮でした。
百武さんを招聘してご講演をお願いしようと企画された方々の意識の中に、おそらく参加型の合意形成についてきちんとした理解が必要だ、これまでのやり方を繰り返しても中心市街地活性化は壁を突破できないという熱い思いがあったのではないかと、僭越ながら推察しています。その思いがある限り甲府の再生は難しくないと私は心強く思いました。
全員参加とはリアルにその場に全員が集まる事を意味するものではありません、情報発信、受信のシステムを十分に考慮して、互いに連携して、活用していく事で全員参加が可能な時代になっている、私はいつもそう思っています。



コメント ( 0 ) | Trackback ( )


« デジタル・デ... もつたいない... »