ICT工夫
全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ




(社)コンピュータソフトウェア著作権協会で2009年6月10日の記事に、「全国の知事と政令市の市長にソフトウェア管理の徹底を要請」がありました。この協会は ACCS [Association of Copyright for Computer Software] と略称されています。

ACCSの記事が例示している自治体の違法コピー事件について、奈良市役所の事件では 2009.3.18 の産経新聞で「違法コピーソフト約600本を業務に使用」が未だ読めます。
石川県庁事件では、2009年5月25日朝日新聞の「石川県庁でソフト違法コピー、550本分賠償へ」、2009年5月23日の毎日新聞記事では「違法コピー:石川県ソフト550本使用 賠償金で和解交渉」など。
これらの記事を引用したブログ記事も多数ヒットしますので、ソース記事がリンク切れたら適当な検索語でサーチすれば、ほぼ元記事を確認できるでしょう。売文業マスコミサイトで読める記事の期間に限界があるのは仕方ないと思います。

ACCS のサイトを久しぶりに読んで嫌な思い出が甦りました。未だに多数の記事が読めますが、この問題は2003年11月に発生し、最終的には2006年2月6日に「ACCS個人情報流出事件、全係争関係が終了」でした。
問題発生後、翌2004年の2月4日に「ソフト著作権協会からCGIの欠陥を突いて個人情報を引き出した男性,逮捕される」(日経BP)、「ACCSの個人情報漏えい問題、京大研究員を不正アクセス禁止法違反で逮捕」(インプレス社 InternetWatch)があり、「Web現代」はこの事件を取り上げて2月にITは人を幸せにするか 第19章 漂流するセキュリティ(1)という記事で論評しています。(ホームページも変化していますし、終了したシリーズ記事なので現在の「Web現代」トップページからはリンクされていません)
このACCS事件はインターネット界に大きな問題を投げかけました。2004年01月23日のニュースでは、「ACCS、個人情報流出事件を総括した報告書を公開」が報じられましたが、その直後に「不正アクセス禁止法違反」での逮捕だったのです。
この逮捕に至るまでにネットではいろいろ議論がありました・・・専門家が多いスラッシュドット・ジャパンで「欠陥を指摘するはずが個人情報流出。セキュリティ専門家に捜査の手」に始まるスレッド。
『セキュリティに関する欠陥が放置された場合、直接不利益を被るのは放置している側ではなく消費者なため、欠陥の存在を広くしらしめて対策を促すFull- Disclosure精神は企業の重い腰を動かすためには必要不可欠だ。しかし、欠陥対策の手間も風評被害も嫌う企業にとっては迷惑以外のなにものでもない。本来ならば善意な発見者が勢いあまって個人情報を漏らしてしまったのは良くないが、これを機会に不正アクセス禁止法をちらつかせて欠陥を通報した人を黙らせる風潮になってしまわないか心配だ。』 このスレッドはまさに侃々諤々(かんかんがくがく)、いま改めて読み通すには骨が折れます・・・(^_^;)
「今更だけどこの話」、この当時には話としては無かったと思いますが、インターネットのセキュリティ問題を具体的に指摘する事に対して「国策捜査」的な匂いを感じ取る人も多かったのではないか、この当時、国としては住民基本台帳ネットワークのセキュリティ脆弱性を外部から検証されることはなんとしても防ぎたいのだろう、そのスケープゴートかと感じたことを思い出します。2003年から2004年にかけては長野県での実験が話題になっていた時期だったと記憶しています。

冒頭のACCSの記事には 『全国の47都道府県の知事および18政令指定都市の市長に対して、業務で使用しているコンピュータソフトウェアの管理の徹底を要請する文書と、ソフトウェア管理の手法をまとめた「ソフトウェア管理再点検セット」を発送しました。』と書かれています。山梨県知事には県内28自治体に配付する必要数の「ソフトウェア管理再点検セット」がACCSから届いたのでしょうか。山梨県でコピーして配付すると著作権問題に抵触するから必要数が届けられたのだと思います(^o^)
内容的に同じなら、「ソフトウェア管理のススメ」「これって違法?職場編」を参照して欲しいと知事宛の文書に書くだけで「ソフトウェア管理再点検セット」など全国自治体の数だけ制作する必要も無いでしょう。日本経済新聞のACCSプレスリリース転載記事は単なる転載ですから要請の方法に関して当然気が付く疑問点などは別な記事で書いていると思います。どこかで読めるといいな・・・(^o^)

久しぶりに ACCSについて書いたけど、もう一つの国策捜査?Winny事件は今年の1月から控訴審開始で、第2回公判が6月11日でした 「Winny開発者の控訴審、検察側・弁護側双方が証人尋問」、ここでも ACCS が関係しています。
セキュリティ問題も著作権問題も大切なことなので、私はいつも気にしています。ホームページの表面から見える問題から、そのサイトの内部もおかしいのではないかと感じる事もありますが、何かうっかりやると「不正アクセスだ!」と問題にされかねないから放置・・・外部の私が気が付くような事を内部で専門にたずさわる人々が気が付かないはずがない・・・改めて自分のページも見直す他山の石にしています(^o^)



コメント ( 0 ) | Trackback ( )