樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

This is a pen.

2015年06月15日 | 野鳥
筆記具ケースから万年筆が消えて、もう10年以上経ちます。残っているのは、ボールペン、シャープペン、サインペン。
この英語のPENの語源はラテン語のPENNAで、そのPENNAは「羽根」を意味するそうです。つまり、万年筆(fountain pen)やボールペンのルーツは羽根ペンにあるわけです。
ということを知ると、バードウォッチャーの心には「羽根ペンにはどんな鳥の羽根が使われていたのだろう?」という疑問が当然のように湧いてきます。
ペン用の最良の羽根は、北ヨーロッパのガチョウ、ガン。次いで、ハクチョウ、シチメンチョウ、ペリカンなどの羽根も利用されたそうです。細字用にはカラスの羽根も使われたとか。
猛禽類の羽根も重宝されたようです。下の羽根はハヤブサの仲間、チョウゲンボウの初列風切羽。知人が保有する膨大な羽根コレクションのうち、猛禽の中では最も美しいと思った羽根です。
チョウゲンボウはヨーロッパにも生息しますから、猛禽の好きな当時の男どもは好んで使っていたのではないでしょうか。



良質の羽根を入手するために、生きた鳥の翼から翼端に近い風切羽を抜き取ったようです。だから、ガチョウとかシチメンチョウなど飼い鳥の羽根が使われたのでしょう。
面白いのは、右利きの人には左の翼の羽根、左利きの人には右の翼の羽根が書きやすいそうです。バランスからいうと逆のような気もしますが、右利きの人が右の翼の羽根を持つと内側にカーブして顔に当たるからかもしれません。
初めて英語を習う時のフレーズ「This is a pen.」は、「これは羽根です」という意味だったわけですね。
コメント (2)
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