樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

スギ花粉症

2012年01月12日 | 木と医薬

明治天皇のお墓がある桃山御陵へ冬鳥を探しに出かけましたが、ツグミもシロハラもジョウビタキもルリビタキも不在。もう今年の冬の小鳥探しはあきらめました。

しょうがないのでツリーウォッチングに切り替えたら、スギの花が目につきました。2年前まで花粉症は他人事でしたが、現在は人並みに鼻や涙が出るようになったのでちょっと不気味。

「スギ花粉症は日本特有」と言われますが、スギ自体が日本固有の樹なので当然。でも、北海道と沖縄には分布しないので、この2地域ではスギ花粉症はありません。

その代わり、北海道民はシラカバ花粉症に悩まされているようです。沖縄は最近、花粉症を逃れて長期滞在するヤマトンチュが増えているとか。

 

 

 

欧米では150年以上前から花粉アレルギーが知られていましたが、「日本には存在しない」と言われていたそうです。ところが、昭和38年に栃木県の日光でスギの花粉症が発見されました。

日光といえば日本一の杉並木がありますが、その花粉でしょうか?

日本は国土の67%が森林で、その19%がスギの人工林。戦中戦後に木材の需要増を予想して一生懸命植林した結果、国土の12%がスギ林になってしまいました。

そのスギが成長して花粉をつける樹齢になったので、国民の多くが花粉症に悩むという事態になっているわけです。

スギ花粉症は国の誤った植林政策が原因だとして、静岡の住民12人が6000万円の賠償を求めて訴訟を起こしたそうです。結果は知りませんが、スギ花粉症の要因は大気汚染や体質の変化にもあるようですから、勝訴は難しいのではないでしょうか。

 

コメント (6)
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