樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ハープ

2010年10月07日 | 木と楽器
宇治市の隣・宇治田原町に在住するハープ奏者のコンサートが京都市内で開かれたので行ってきました。よくテレビで夢心地になるシーンに使われるあの神秘的な音は、やっぱり木が生み出すんだろうな~と以前から関心があったのです。
あまり一般的な楽器ではないので、さすがのヤマハも製造していませんが、意外にもハープの専門メーカーが日本にあります。福井県の永平寺の近くにある青山ハープは、専用のホールを保有し、東京と大阪に営業所を持つほどの会社です。
そのホームページによると、本体の木材はウォールナット(クルミ)またはメープル(カエデ)。ウォールナットは柔らかい音、メープルは硬い音に仕上がるそうです。


ロビーコンサートでのハープ(弦を張った下側の部分が共鳴箱)

本体はクルミ材かカエデ材と分りましたが、サウンドボックス(共鳴箱)の材質は違うはずです。青山のサイトには説明がないのでいろいろ調べると、高級品のサウンドボックスには低音域部分にスプルース(トウヒ)、高音域部分はマホガニーが使われているようです。
低い音を共鳴させるには柔らかい針葉樹が、高い音を共鳴させるには硬い広葉樹がいいということなのでしょう。
バイオリンも表板はトウヒ、裏板や側板はカエデ、ピアノも共鳴板はトウヒ、ボディはカエデです。この2種は弦楽器には欠かせない木材なんですね。音響特性に優れているということでしょう。
下の写真は今年の2月に訪れた大阪音楽大学の博物館で撮影したもの。18世紀後半にフランスで製作されたハープです。材質は不明ですが、多分サウンドボックスはヨーロッパトウヒでしょう。



アイルランドのある大学には、15世紀の吟遊詩人が使っていたハープが展示してあって、本体はオーク(ナラ)、サウンドボックスはヤナギ(ポプラ)、弦は真鍮だそうです。
コメント (2)
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