樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

マグノリア

2010年06月10日 | 木と歌
団塊世代のご多分にもれず、中学時代にビートルズにかぶれました。でも、私の最初のアイドルはリッキー・ネルソンという歌手でした。小学生の頃、『陽気なネルソン』というテレビドラマで毎回彼が歌うのを見たのが洋楽との出会いです。
エルビス・プレスリーの陰に隠れてあまり有名ではありませんが、ヒット曲もいくつかあります。レコードも何枚か買いました。古いものはスッパリ処分する方ですが、わずかなお小遣いを貯めて買ったアルバムは捨てられませんでした。


15才の時に買ったアルバム

このアルバムの中の「Down Home」という曲に、「♪~sweet magnolia in the breeze」という歌詞があります。magnoliaを辞書で調べてモクレンと知り、あの縦長の花を想像しながら、「その香りが風に乗って匂ってくるんだな~」と思っていました。
その45年後、樹木の知識が深まるにつれて、マグノリアはモクレンではなくタイサンボクであることを知りました。日本でも公園や庭によく植えてありますが、北米原産のモクレン科の樹木。


ちょうど今頃開花するマグノリア(=タイサンボク)(散歩コースで撮影)

一方、モクレンは中国原産。わが家にも1株あり、早春に花を咲かせますが、香りはタイサンボクに比べると弱く、風に乗って匂ってくるというほどではありません。


我が家のハクモクレン(3月25日撮影)

モクレンが落葉樹であるのに対してタイサンボクは常緑樹。葉はプラスチックのように硬く、花はサッカーボールくらい大きいので、可憐な感じはありませんが、歌詞にあるように柑橘系のいい匂いを漂わせます。


タイサンボクの葉は硬くて裏が茶色

「Down Home」は故郷の山や川を思い描いた望郷の歌。今でも時々聴きますが、山にはタイサンボクの花が咲き、川で魚釣りをしているアメリカの田園風景を想像しています。
コメント (4)
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