湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

8/28世田谷区障害者就労支援ネットワーク見学会レポート(3/4)/眼鏡が戻ってきた!

2007-08-31 04:57:59 | 引きこもり
本田由紀さんに会えないかなと儚い希望を持ちつつ、午前中、三田をうろついてアウト。夏期講習のフィニッシュ兼会議に入る前に、ともかく手元用眼鏡を確保しなくてはと、一度茅ケ崎に戻りサポセンへ。9/22の打ち合わせを試みて、合流失敗。夕食の買い物を家に届けて、Lターン(?)して相模大野へ。なんとも無駄な往復をしているのはわかるのだが、それぞれが融通が利かない。眼鏡が戻って、やっと読めるようになった新書「日本のニート、世界のニート」(ISBN:4121501977)片手に小田急車中の目虚ろ。(年だなと…)

なんと日程を間違えていた、私の担当は31日。ヤキがまわったなあとつぶやきつつ、しっかりしてくださいよという事務の若手の言葉をひきずって帰宅。そこに昼間会えなかったUさんから電話が飛び込んだ。寝起きの悪い子どもが鬱陶しさにベソをかく、あの気分をふっ切れないまま電話に出て、いったん電話を切ってこめかみを両手で小突く儀式。仕切りなおしである。

Uさんはそんなことに気づいてはいない。9月の懇談会の講師選択の話だった。引きこもり青年の地域デビューを私は仕組んでいる。その地域活動の相棒に障碍児者の当事者活動がある。この大きな構造が私のスタンスにはあるのだが、引きこもり陣営からの支持はない。フリースペースとその拡張論だからだ。Uさんから説得を受けるが、語る相手の論は既存の障碍児者の活動で、引きこもり青年の話は別世界だから、引きこもり青年へのラブコールをやめよと言われているに等しい。

そうそう、このブログを読んでいる旗の台君(仮名)そして君、「わーく」発刊をやらないか。

9月22日は、私が話す形の懇談会になりそうだ。誰も来なかったら最悪。事実、Iさんとふたりだけの会があった。お子さんを社協の玄関までつれてきながら、どうしてもビルに入らなかったという後日談があったのだが。

そういえば、誰もいない授業を2回やったことがあった。昔、塾をやっていた頃、理科の観察教室を柳島記念館でやった。そのとき短編記録映画を上映し、それから海岸に出る話となっていた。そのとき、中島中のイベントと重なったこともあったが、見事に誰もこなかった。ひとりで映画を観ていたら、隣の全日写連のおっさんが、うるさいと怒鳴り込んできて滅入ったことがあった。もうひとつが、ペンケースの盗みの濡れ衣をかばったことで、塾生が授業ボイコット。嫌疑をかけられた高機能自閉症の子が怒り出して退塾。若かった私が50分間、誰もいない教室で授業をやった。嫌疑は晴れたが、説得虚しく彼は戻ってこなかった。じんわりと嫌な思いが湧き上がってくるから差別は嫌だ。生徒からは馬鹿かと呆れられた。お前らがいかんのだとは、すでに怒鳴る気力も失せていた。

引きこもりの世界からのラブコールをやるためには、関係者に実情を語ってもらう必要が出てきているが、私の担当している青年たちや支援者は地元ではない。場面セットできないかと巡回時に頼んではいるのだが。

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8/28 世田谷区見学会レポート(3/4)

手元眼鏡がやっと戻ってきた。画面3cmの世界からやっと離脱できた。文字フォントを大きくして対応したが、作業効率は激減。不自由さがわかった。

それから話に入る前にお願いしたいことがある。私のレポートは代表レポートではないということだ。参加者のたたき台のつもりで書いているので、どうぞご自分のレポートを、私の書くのを待つのではなく、どんどん書き出し、ご紹介願いたい。

世田谷区役所障害者地域生活課の丁寧なお話に感謝し、つぎに移動したところが「区立砧工房分場キタミ・クリーンファーム」だった。住宅地の真ん中にぽっかり温室が現れる、そこが「キタミ・クリーンファーム」だ。冷たいお茶をご馳走になりながら昼食をとらせていただき、食後、温室の見学をさせていただいた。

100坪ほどの水耕栽培温室を常勤3名、非常勤3名の職員さんが15名の利用者さんを支えている。非常勤職員さんの中にはボランティアの方もカウントされている。ここは5年間を期限とする通過型授産施設(プレ就労の場)である。愛の手帳を取得している方が対象。

サラダ菜やバジル等を肥料の混じった流水中のスポンジの上に育てている。作業面を腰を曲げないですむ高さまであげてあり、室温・水温・二酸化炭素濃度等が自動的に管理されていた。

午前中、職員と思われる方と丁度入れ替えるようにして出会った。若い。育った葉物野菜を販売先に届けるところまで、利用者さんとともに交代勤務でやっているのだとのこと。作物は命があるので、休日や嵐の日でも出勤しなくてはならない。

残念なことに作業の様子を見ることができなかったが、農業では直接共同作業の場面は少ない。作付けから販売まで一連の生産計画を共有することの中から、共同意識は生まれてくる。その辺がどうなっているかということが気になった。同じ収穫作業をしていても、計画を前提に働いている場合と全く個人的に作物に向かい合っている場合とでは意味合いが違ってくる。通過型の就労移行支援事業の場合、技能と同時に「協業」が育てられているかが鍵となる。普通の就労研修の場合と同じく「協業」体験は就労先の職場でという形なのだろうかと思った。(これは後の『すきっぷ』の就労と比較する意味合いを持っている。)

利用者さんは栽培のみを行っているのではなく、様々な副業を行っている。廃棄自転車の再生輸出も行っていた。整備された自転車をきれいに磨いて送り出すのだ。1台4千3百円になるのだそうだ。区からの費用が決算予算型であり、前年度かかった費用が補填されるという。だから職員が産休や育休を取ってそのために人件費が下がり決算額が出ると、翌年も予算額が下がってしまうという問題点を抱えているという。しかし、私たちには決算額が全額補填されること自体に世田谷区の豊かさを感じてしまう。

ここの作業の質は、精神領域のいわばひとりでいられる作業、緑と癒しのみならず、作業テンポの自己管理の性格が強いことが特徴のように思える。「すきっぷ」が2年を研修期限としていることと比較して5年という長さの決定基準が気になった。ここに振り分けられてくる利用者さんは、どのようにして選別されているのか、どの施設が選別しているのか確認できなかった。これは就労支援ネットワークの根幹にふれることであるので、改めて調べてみたいと思う。

もうひとつ、住宅地の中にある中庭のような農場という個性のこと。この敷地は物納地の流用とのことだったが、農地転用のハードルがクリアできたなら、この温室栽培方式は地産地消のネットワークに乗ることが出来る。ビルの屋上温室なども風害対策が取れれば面白いのかなとも思った。さらに世田谷区はフリーマーケットが活発な地域なので、自主販路と結び付けられるところが面白い。おみやげのしっかりとしたサラダ菜を抱えながら、これは売れるだろうなと思った。

(つづく)

(校正1回目済み)
コメント
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