日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

義済堂

2010年03月17日 | 町かど
               

通学から通勤へと変わっても、臥龍橋の袂にある「義済堂」のそばを50年近く通った。子どものころは織物会社いう程度の知識で、小学校のとき見学をしたような記憶がある。白や青色の織物を台車に載せて、工場から道を隔てた倉庫へ運ばれるところをよく見ていた。台車はフォークリフトへと代わっても、織物の色は変わらなかった。

その起原は1873(明治6)年にさかのぼるという。「義済堂は、旧岩国藩の借入金の返済原資を得る為の既存の貸付金の整理・回収業務や、窮民への資金貸し出し機関、および、旧家臣たる士族の役禄喪失後の生業の維持・確保を行なう為の受け皿訓練所という存在から、徐々に繊維業事業を行なう会社としての存在に変わっていった」と記されている。

2005(平成17)年事業継続会社を別途設立、2008(平成20)年解散した。株式会社であったが創業時の「堂」は守り続けた。工場は分譲住宅地となり新築家屋が立ち並んでいる。倉庫は旧警察署の跡地とあわせパチンコ店に変わった。

義済堂のシンボルであった2本の煙突。これが解体されるときすっぽりと覆われ、途中を見るころはできなかった。覆いが取り除かれたとき、そこに現れた大きな空間を感じながら、廃藩置県で生まれた歴史の遺構が消えたことを寂しく思った。

(写真:義済堂のシンボルだった煙突と臥龍橋:城下町史跡ガイドより)
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菜の花の咲くころ

2010年03月16日 | 生活・ニュース
               

このところ断続的に降る雨のせいか、昨夕、貯水量調整のためダムからの放流を報せるサイレンが鳴った。このところ雨量が多く、寒暖の差も大きいなど落ち着かない春前の天候が続く。

朝ウオーキング。星は降りそうなほどよく晴れている。真冬なら放射冷却で寒いはずが、生暖かい風が吹いて少し汗ばむ。しかし、予報どおり冷たい風に変わり、朝の最低気温11度が日中も続く。ダムからの放流で錦帯橋下は川幅いっぱいの流れに変わっている。豊かな水量は久しぶり、いいもんだ。

なんとなく不順な日和が続いているが、それに迷うことなく、桜の露払いのように錦川沿いの岸辺一面に菜の花が咲いている。これが咲きそろうころ川沿いの桜のつぼみも膨らみ始める。そういえばこの時期だけの茶店も開き来る人を待っている。

錦帯橋畔の桜もあと10日もすれば開花の便りが聞かれるだろう。しばらくは穏やかな日和が続いて欲しい。

(写真:錦川沿い咲いている菜の花)
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岩国練武道場

2010年03月15日 | 町かど
               

「岩國練武會」ときざまれた表札のかかる敷地入り口の石柱が歴史を感じさせる。その奥まったところに道場がある。最近、玄関や屋根瓦の補修が行われ小ざっぱりした。玄関上部に右読みで「岩国練武道場」の看板がある。ここは山口県選定近代化遺産に指定されている。

旧町名の善教寺小路にあり、子ども剣士らの気合の入った大きな掛け声が小路まで聞こえる。道場からは小路の向かいにある旧岩国税務署の歴史あるたたずまいが見え、道場のそばには岩国小学校もある。

道場は、岩国藩士で剣術家の長谷川藤次郎の長男としてこの地に生まれた、元帥陸軍大将従一位功一級大勲位と位階を極めた長谷川好道の生誕地。武道を好んだ生前の意志により、生誕地は岩国町(現岩国市)に寄付され、昭和2年に岩国練武会の道場が建てられ、今に続いている。

この道場からは全国大会出場の選手も誕生している。道場の前庭には長谷川好道の生誕の地を示す石碑が建っている。前庭は普段は使われる様子はない。雑草が茂るとどなたがされるのか、いつの間にか綺麗になっている。

(写真:奥の建物が岩国練武道場)
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蛇返し

2010年03月14日 | 自然 季節
               

啓蟄を過ぎたのだから、どんな生き物が目に付いても不思議ではない。といって、特に見たいとも思わない生き物もある。

現れるのが早いのか遅いのか知らないが、あの長くてくねくねしながら移動していく蛇をみた。草むらから出て道を横切り反対側の枯れた葦の中へ入っていった。葦の茂みでは小鳥の鳴き声が聞こえ続けている。少し心配だ。

その蛇にまつわる話。町なかではあまり見かけないが、電柱を支えるワイヤーの途中にじょうご、三角錐の底辺を上に向けた物が取り付けられている。これは蛇が電線まで上れないように工夫された蛇返し。蛇が電線へ絡みショート、停電になる事を防ぐ人間の知恵。

どうして蛇は電線へ上るのか、と尋ねたことがある。にわかには信じがたいと思ったが「電線にいる小鳥を狙って上る」というのが答えだった。蛇が地上から小鳥へ届くまでの時間がかかり過ぎるだろう、というのが疑問に思った理由だ。

蛇が蛇返しで困っているところをまだ見た事がない。鎌首もたげてうろうろするのだろうか。この蛇返し、何にでも巻きついて上る雑草のかずらも、そこからは上っていけません。これはカラスの巣を取り除く電気屋さんの話だけに納得する。

菜種梅雨が終われば桜に誘われるように雑草も繁茂する。そこには嫌なもの生き物も住み着ていよう。それでも、よく観察すると何か新しい事を見つけれるかも知れない。虫たちも春を待っていたのだから。

(写真:よく見かける蛇返し)
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源氏物語の筆写展

2010年03月13日 | 生活・ニュース
               

「主人公光源氏の一生とその一族たちのさまざまな人生を70年余にわたって構成し、王朝文化最盛期の宮廷貴族の生活の内実を優艶(ゆうえん)に、かつ克明に描き尽くしている」と解説されている源氏物語は全54帖。このうち31帖を毛筆で書き写し、巻物にした展示会が開かれている。

会場に足を踏み入れる。帯のように広げられた巻物が別の世界へいざなう厳粛さを感じさせる。長いものは10数メートルを超えていそうな巻物もある。変体仮名などでなく、現代版仮名遣いで、難しい漢字にはふりがながつけてある。文学に疎い自分も筆写の文字を追っていた。

4年前から筆をとられ完成は80歳を目標に書き進めているという女性。作者は「書き直しをしない一発勝負。人生と同じところがいい。作品を見て何かをやってみようと思ってもらえれば」と新聞の取材に答えられている。1字1字にそれが込めらられた作品なのだ、いつの間にか長居をした。展示を見終わったとき「とにかくすごい」と感じた。

展示会は明日14日まで「シンフォニア岩国」で開かれている。

(写真:筆写の会場風景)
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会 話

2010年03月12日 | 生活・ニュース
               

義母がお世話になっているホームでクリスマス会があった。会った時はいつも、「どこにおったん?探しとったんよ」と言う。「ありがとうねぇ、私も探しとったんよ」と優しく答える。すると「私のそばにおりんさい」と手を出して握ってくれる。それを聞きながら義母の優しさをいつも感謝する嫁の姿が浮かぶ。

妻が激しく泣く夢を見た。驚いて目が覚めた。見ると泣いている。身に覚えはないけど恐る恐る「どうしたのか?」と聞く。答えないで泣く。少し間をおいて3回目を話しかけたとき「うるさい、黙ってて、いまTVを見ているの」。心配が大きな邪魔をしたようだ。

「清濁併せ呑むと言うが、そりゃー苦しいもんだ。経験したことのない人からはずるい人間と思われる。両方を立ててやるとき、男の仕事としてどちらにも呑み込まれない覚悟があれば、正と邪、善と悪を合わせる事ができる」。分かるようでもあり、身勝手な解釈のようでもあり、禅問答のようでもあり、聞くほうの酒は進まなかった。

3人寄ったら文殊の知恵という。どんな形でもいい、会話の出来るときには「話に花を咲かせよう」。先日、調薬を待つ間、偶然だろうが二人とも85歳で一人暮らしの女性の会話を聞きながら、話について思った。

(写真:何を話しながら酒買いに行くのだろう)
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春浅し

2010年03月11日 | 生活・ニュース
               

今朝は冷え込んだものの日中は春らしい温もりを感じる。雪に押さえられ風に耐えていた春待ちの草木が、思いっきり陽ざしを吸いこんでいる。出会った人とは「昨日の雪は」、から会話に入った。それほど印象に残った春の嵐だったということになる。

公立大学の合格発表が始まった。今日は中学校の卒業式。来週は県立高校の入試結果が分かる。私立も含め合格という麗らかな春を迎える人とそうなれなかった人に分かれる。いや、残されたチャンスへ向かう人もあろう。ガンバッテほしい。

昨年の大水害で被害を被った中学校の卒業生は30名ほど。答辞の中で、災害の中での助け合いと集落皆さんの温かい支援に触れた箇所で、画面を大粒の涙が流れた。この経験はどこかで生きて返してくれると信じた。

中学生のころ、高校への進学率は50%あまりだった。中学卒業生は「金の卵」として産業界がむかえ、集団就職列車が走った。その苛酷さに耐えられず帰省した同級生も知っている。

環境は変わって今は高校進学は全入に近い。決めた進路に全てのことで満足ということはあり得ない。先人たちはそれを乗り越えてきた。新しい学校生活、努力しながら楽しんでほしい。もうすぐ桜は咲く。

(写真:雪を忘れたような1株だけの菜の花)
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なごり雪

2010年03月10日 | パソコン講座
               


なごり雪は、早春を表す言葉で「名残惜しそうに降る最後の雪」というそうだが、山間部へ向かって出かける身にはじゃま雪さんだ。「行けるとこまで行って、ダメなら引き返す」そんな打ち合わせで激しく降る雪の中を出発した。

久しぶりの雪中の運転。川沿いの国道を上流向けて進むにつれ、雪の降り方は「行けるかな」という心配を増す。大粒の雪がそれを助長する。安全運転で前車の後を進む。

短いトンネルを抜けると、あれほど激しく降っていた雪が消えた。といううか、これが「なごり雪」の見本のような降り方に変わった。天然の気まぐれとでもいうのだろうか。

休憩時間、受講者の入れられた熱いコーヒーを飲みながら講座会場から見える屋根は白く、周囲の千メートル級の頂は霞んで見えない。高いところでは降り続いているようだ。

熱心な受講者に雪も遠慮したのか、講座の終わるころには雪は止み、あれほど緊張した往路の運転が嘘のようだった。

(写真:講座会場から見える雪の風景)

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あられも

2010年03月09日 | 自然 季節
               

雨に雪、霙(みぞれ)に霰(あられ)、啓蟄も過ぎたというのに寒に逆戻りしたかのようなちょっとした嵐。植えたばかりの花が湿った雪に押さえられてはいけないと、覆いをする。これでいい花を咲かせてくれるだろう、とそんな事を思いながら、出かける前の小作業をした。

病院の待合室は思いがけない朝方の寒さについての会話が多い。血圧を測りながら「今朝は出勤できないかと思いました」と看護師さん。山あいでは夜明け前から積雪があっとか。そういえば屋根に雪を載せた車に何台も出合った。

いつものようにウオーキングへ出かけようと天気を確認したら、かなり強い雨足だったのでもう一度、床についた。ここ数日に比べ少し冷え込む感じがした、それが雪に変わるシグナルだったのか。

霙は雪の日よりも温度は高めの感じがするのに、それよりも冷たい感じがする。どんよりとした重そうな空気がそう感じさせるのだろう。明日は晴れてほしい。朝から山間部での講座に出かける。

(写真:屋根にしがみつく霰)
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アイディア包装紙

2010年03月08日 | パソコン講座
               

錦川沿いに上流へ向かう数台のダンプカーに進路を押さえられた。途中、道を譲ってくれる事を願ったが、超安全運転のまま市の北方に位置する町のパソコン講座の会場へ着いた。

受講者は70代6人と60代5人の11人。「この年になったが、人のパソコンでは思うように出来ないから」とパソコンを購入したという受講者もおられる。講座スタッフもそう負ける年齢ではない。

何度か訪れている会場。一人のご婦人が「お茶うけに」と差し出された箱、包装紙一杯に「別府へ行ってきました」と印刷されている。中味は勿論、お店の名前もない。さて、何だろう、何か興味を持たせる。

蓋を開ける。目に飛び込んできたのは「旅行に行ってきました」という青地に白抜きの文字。描かれた子どもの手にも同じ文字が読み取れる。青い包装紙を裂く。ふんわりと仕上がったクッキーだった。

ぎりぎりまで包装費用削減の知恵なのか、土産をもらった人をちょっとミステリーな感じにさせるのか、両方かもしれない、アイディアは誰だろうなどと、いただいた後から思った。そう思えば、湯の香りがしないでもなかった。

(写真:シンプルだと感じた包装紙)

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