作 東井義雄
兵庫県には、県立の盲学校がありますが、視力のうすい子どもや、全然見ることのできない、闇の中を生きている子どもたちの学校です。その学校に、全盲の6年生の子がいたそうです。
その全盲の小学6年生の子が、「先生、そりゃ、見えたら、いっぺん、お母さの顔がみたいわ。でも、もし見えたら、ぼくなんか、あれも見たい、これも見たいいうことになってしもて、気が散って、ダメになってしまうかもわからへん。見えんかて別にどういうこともあらへん。先生、そりゃ、見えへんのは不自由やで、でも、ぼく、不幸やおもうたことあらへん。先生、不自由と不幸はちがうんやね」といったというのです。
この子は、お母さんの顔さえ見ることのできない世界、光のない世界を生きているのです。でも、なんという明るさでしょうか。なんという頼もしさでしょうか。
さて、この子は、なぜこんなに明るく、たくましく生きることができているのでしょうか。「おかげさまを見る目」これが、彼のいのちには恵まれているからではないでしょうか。
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