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女の子とお母さんが上空を指さして話している。何だろう、鳥かな飛行機かなと指さす方向を見るが、私には特別変わったものは見えない。「何か見えますか」と訊ねた。すると「子どもクジラが乳を飲んでいるそうです」と母親が答える。言われて向こうの空を見ると、横に長い楕円形の白い雲は親クジラ、白い雲の下に吸い付くような灰色の小さな雲は子どもクジラに見える。
言われてみれば、確かに映像で見覚えのあるクジラの授乳シーンに似ている。急いで撮ったが、間もなく子どもクジラは形が変わりそして消えた。子どもの発見した天体ショーは終わった。いやいや、子どもの観察力、ひらめき、思いつき、その鋭さにただただ感心するしかなかった。
健康のために散歩と言いながら、何か珍しいこと、面白いことがあればブログに書けるのだが、そんな「二兎を追う者は一兎をも得ず」の諺に似た散歩では収穫がない。雲がクジラの授乳に見える素直な気持ちでないと、例え発見を書いても自慢めいた内容になるだろう。エッセイ例会で「自慢話は控えめに」と教わる。
小中高生が創作した詩、作文を対象にした「鈴木三重吉賞」がある。児童文芸誌「赤い鳥」の鈴木と言えばよく知られている。賞となった作品の読後感は「素直」な気持で感じたままを作品として展開してある。大きな白い雲と小さな雲、それを見ただけで海中の様子を天空に見出すなど、素直な子ども目線と感性だろうか、ただただ驚く。
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