日々のことを徒然に

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芭蕉の新株発見

2024年06月04日 | 自然 季節

 冬の芭蕉は枯れ芭蕉と言われ、最後には崩れ落ちたように縮まったその姿は哀れにも見える。芭蕉は1年で人の一生を演じると書かれた文を読んだ記憶があるが、その最も哀れな姿を通り越し、枯れて縮んだことを忘れたかのように新緑のこの時期、新しい葉を伸ばし始め、周囲に挨拶をしている。
 
 そんな根元、枯れ芭蕉の隣に並んで新しい株が3本ほど伸びた新生芭蕉を見つけた。大きいのは1㍍くらいに育っている。ここの芭蕉群はよく観察しているが、これまでに見た記憶がない。場所は畑の法面で雑草に囲まれているが、新株の周りは雑草が少ない。これだと日当たりは申し分なく立派に育つだろう。

 子どものころ我が家にも大きな株があった。祖父や父はときおり切り除いていたが、撤去はしなかった。それは、角寿司(岩国寿司)を作る時の段仕切りに使うため近所から貰いが掛かっていたからだろう。我が家でも使っていた。大きな葉だが破れやすいのに、寿司の段仕切段には清潔感があり、銀舎利を引き立てた。

 もうひとつ、芭蕉の保水力はものすごい。これが真夏の日照りでもあの巨大な緑濃い葉を風になびかせる力の秘密かもしれない、裏庭にあった大株の姿を思い出しながら思う。藩邸のあった横山を散歩するとあちこちで芭蕉を見かける。藩政時代に岩国寿司は保存食の一翼を担った。芭蕉はその任を担っていたのかもしれない。

 (今日の575) ジャパニーズバナナというが食べれない
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