先日、市内北部の標高200㍍ほどの山代高原に広がる町を通った。町内には3つのダムがあり地域の治水や上水などの重要な役目を担っている。稲刈りの終わった多くの田には「ひこばえ」が緑色に生え、遠くから見ると芝生のようにも見える。最近は稲刈りと同時に脱穀され、稲わらは刻まれて田に戻されるのが普通になっている。
この町では刈られた稲があちこちで天日干しされていた。天日干しされた米は「はぜ掛け米」と呼ばれ、おいしい米になるという。それは、自然乾燥される間に米が稲わらに残っている養分を吸収し追熟され、また、太陽光と自然の風で乾燥されるので米にストレスがかからないからと言われる。
もう一つ喜ばれることがある。多くの人がワイワイガヤガヤと手伝え、素人もはぜ掛けの手伝いで楽しさが味わえる、主催する人は米作りに興味を持ってもらうことも狙いという。また、自動乾燥など思いもしなかった昔の風景を懐かしく思う人が増えていると聞く。
写真のはぜ掛けは、棚田ごとに設けられており、道路からは立体的な広がりを感じさせ絵になる。報道では外食需要の低迷などで在庫増となり価格が下落していたが、3年ぶりに玄米は前年より約5%高の取引価格になるという。米農家にとっては朗報だろうが、これまでの損金は戻らない。超円安、国産品の消費が必要だ。
(今日の575) 米櫃に今年米入れ秋来る