日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

また一つ消える

2022年01月07日 | 地域

 東京上野のアメ横、出張で1回だけ側を通った。年末の大混雑の印象が強く、昼間でもあり印象に残る人通りではなかった。コロナ禍ではあるが昨年末の賑わいはアメ横のイメージを蘇らせた。東京の正月料理はアメ横から、そんな構図は崩れていないようだ。賑わう事は良いことだ。

 昭和40年代半ばまで、年末の賑わいや密度はアメ横に劣らないくらい賑わう通りがあった。そこは道幅2間ほどだが城下町のひとつで登富町(古くは豆腐町)という商店街として賑わった。その通りに、戦後の復興期、昭和27(1952)年に生まれた市小売市場がある。風雪を得て70年、施設が老朽化したことで廃止、解体されることになった。

 この一帯が昨年10月、国の重要文化的景観に選ばれたことが大きな理由と思う。選ばれたとはいえ、子どもの頃の街並みは薄らぎ、町の姿は大きく変わってる。市場周辺は、他地区の人からは買い物難民といわれるほど不便になっている。この市場をてこにして、という声はあったが、声が小さかったのか自治体の動きは聞かなかった。高齢者の多い地区だからと廃業を先延ばしされた店も閉店された。

 こうして小さな通りで働き続けた市場が消えていく。この商店街に来れば食材は何でも揃えることができた。現在は開いている店舗はない。時代と言えばそれまでだが郊外の大型店舗はこの通り全店より充実している。通りは狭く跡地利用は大変だろう。歴史ある町並み、せめて「昭和の街並み」として残せば、錦帯橋にも近く観光に寄与できるのでは、徒然に思う。

 (今日の575) また消える 昭和の食の 生き証人   
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