2021年10月13日 中国新聞セレクト「ひといき」掲載
今春、孫娘は学業を終え、親元を遠く離れた地で就業した。新型コロナウイルスの感染拡大により、輪をかけて会いにくくなっているので「じいちゃん、ぱあちゃん。元気ですか」と、時に電話してきてくれる。
大概、LINE(ライン)を使い、顔を見ながらのビデオ通話。おかげで私ら老夫婦は、従前にない長電話をしている。
話してくれる内容は、半年になる自炊での工夫やリモートワーク中心の仕事など。「同期の人と交流できない」「帰省は難しい」とも言う。こちらは「必妥なものはないか」。そして、互いに「コロナに感染しないように」と注意を促して終わる。
そうした中、大きな封書を郵便受けに見つけた。孫娘からだった。「きぽう新聞」と記されていた紙類が入っていた。
「新聞発行」の勣機が短くつづられていた。「いつも気に掛けてもらってありかとうございます。何かお礼がしたいと考えていたところ、新聞のことを思い出しました。やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃんと私をつなぐのはこれかなと・・・」
他人には分かるまいが、私たち夭婦にはよく分かる文章だ。私は、孫娘が3歳になる少し前から20歳の誕生日まで17年3カ月、月刊「孫新聞」を出した。だが3年前に211号で休刊。最後は「コロナが終息したらお会いしましょう』と結んだ。
初めての「新聞」にしては、休日の過ごし方など短い文によくまとめている。妻は「じいちゃんのDNAを継いでいる」と繰り返し読んでいる。
今春、孫娘は学業を終え、親元を遠く離れた地で就業した。新型コロナウイルスの感染拡大により、輪をかけて会いにくくなっているので「じいちゃん、ぱあちゃん。元気ですか」と、時に電話してきてくれる。
大概、LINE(ライン)を使い、顔を見ながらのビデオ通話。おかげで私ら老夫婦は、従前にない長電話をしている。
話してくれる内容は、半年になる自炊での工夫やリモートワーク中心の仕事など。「同期の人と交流できない」「帰省は難しい」とも言う。こちらは「必妥なものはないか」。そして、互いに「コロナに感染しないように」と注意を促して終わる。
そうした中、大きな封書を郵便受けに見つけた。孫娘からだった。「きぽう新聞」と記されていた紙類が入っていた。
「新聞発行」の勣機が短くつづられていた。「いつも気に掛けてもらってありかとうございます。何かお礼がしたいと考えていたところ、新聞のことを思い出しました。やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃんと私をつなぐのはこれかなと・・・」
他人には分かるまいが、私たち夭婦にはよく分かる文章だ。私は、孫娘が3歳になる少し前から20歳の誕生日まで17年3カ月、月刊「孫新聞」を出した。だが3年前に211号で休刊。最後は「コロナが終息したらお会いしましょう』と結んだ。
初めての「新聞」にしては、休日の過ごし方など短い文によくまとめている。妻は「じいちゃんのDNAを継いでいる」と繰り返し読んでいる。