
植物は冬の寒さに耐えながら内にエネルギーを蓄える。春の息吹と共にその力を蕾に変え、花を咲かせ、樹木に新芽生み出し人々をよろこばせる。人々は喜びとともに待っていた旬の食材を菜園に野に山に探し、それを味わう。その代表的な一つにタケノコ料理がある。人工栽培で生み出せない食材の一つとして知られる。
タケノコ料理に至る前段の準備、掘り、皮をむき、茹でる過程は欠かせない。その一つ、近在では「米糠(ぬか)」を用いて茹でる。糠は「穀物、主に玄米を精白する際に生ずる果皮・種皮・外胚乳などの混合物」と解かれている。形状は微細で指紋の隙間にも入り込む。「細かい、ちっぽけな」といった意味にも使われことから、はかない、頼りないなどの意味も持つという。ぬか喜び、糠雨などがある。
茹でるときに糠を用いるのはあく抜きのため、と教えられている。が、自身でそれをしたことはない。そこで、あまり見向きされない糠の話し。母は新築した白木の廊下や柱を糠を入れた布製の袋、糠袋で暇があれば磨き艶出ししていた。ぬか袋は入浴でタオルと同じように使用すると肌にいいという。精米された米を購入すると糠はついていない、というか普通は要らない。
それでも、タケノコを茹でるには必需品、その心配をすると「〇〇スーパー」駐車場の自動精米機横に「ぬかハウス」があると教えられた。最近は農家から玄米を購入する人が多く、あちこちに精米機小屋を見かける。教えられた「ぬかホーム」には「自由にお持ち帰りください」の表示があり、タケノコが美味しく食べれると喜び少しだけ持ち帰った。