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「旬の食べ物は生命力の源である」どこかのスーパーで見かけた記憶がある。野菜に果物、魚介などの出盛りで味が最も良い時期の食べ物を指す。初ものは縁起がいいから笑って食べる、初ものを食べると長生きをする、祖母はそんなことを話していた。腹いっぱい食べたい終戦直後、何が初物か知らぬままに母の作った食事を食べていた。
この時期の旬のものに筍がある。先日、家庭菜園をたしなむ人との立ち話で竹の子の話しを聞いた。今年も筍が食い残したものを掘ることになりそうと、先行きくらい話だった。ブログにこんな書き込みがあった。「夫が山へ行ってみたら、すでに掘られた跡が、どうしてよそのおうちまで掘りに行くんですかねぇ」、失敬するのはイノシシばかりではなさそうだ。
筍の旬は短い、今年も貴重品か、そんな夫婦の雑談をした日の夕方のこと、雑談が聞こえたかのごとく茹でた筍が届いた。その方の話しでは「イノシシに先を越され口には届かないかと思っていたら、電気柵で囲ったところで3本収穫出来た」という貴重品、その半分近くが届いたことになる。感謝して旬を頂こう。
30年余り前には一反ほどの段畑を作っていた。その中の狭い1段に小さな竹林があり、この季節には筍を生え放題にもできず、時間を見つけて筍堀をした。畑は公用地にかわり偲ぶ竹の1本も見当たらないが、その昔にはおそらくを粗末に扱ったのではと思い起こし後悔先に立たずと反省しきり。竹は皮を脱ぎながらまっすぐに成長していく、人も見習いたい。