「どちらにされますか?」「どっちにしようかな?」。呼びかけた方が「どっちも」と気持ちよく決める。問われた方はキョトンとするというある生保のCMがある。問いかけ側は魅力ある内容を示し、問われた側は甲乙つけがたい内容に即答できない様子が面白い。「どちら」は、定められない場所・人・事・物などで、二つの中から一つを選ぶ時に使う。
CMの問われた側の「どっち」、「どっちへ転んでも大差はない、どっちもどっち」と、どちらになっても大差は無い言い方になる。どっち付かず、どっち道などは日ごろの会話でもよく使う。どっちを漢字にすると「何方」で定かでない意味が解る。あまり気にせず会話しているが文字化したら、おかしいと思う言葉、エッセイ例会でいくつも例示された。書くときは気をつけなければと心する。
お金を入金する、水で冠水、日本に来日する、若くて夭折、昼食のランチ、生ライブ、余分な贅肉、頭痛が痛い、一番最初、防犯対策などなど等、安易に使っている重言がたくさんある。
父親に抱かれた子どもが飲料自販機の前でどれにするか迷っている様子。その様子を眺めていると、どうも商品を選ぶより父親に抱かれ会話していることの方が嬉しそうに見える。飲み物を選べば抱っこは終わる、さてどちらを選ぶか、どっちも欲しい女の子の気持ちが可愛らしいく伝わる。我が子とはなかった光景に済まなかったと胸がいたむ。