2013年01月22日 毎日新聞「はがき随筆」掲載
子どもの頃から頭が大きいと言われ、自覚もしていた。それに髪は硬くてフサフサ。丸刈りから長髪になる時、「こりゃあ料金割り増し」と日ごろ無口な散髪屋の主人が笑った。
あれから何十年。しゃがんだ姿を上から撮られた写真、なんと頭頂に皮膚丸見えの薄毛の域が広がる。髪が減り寒暑の季節感をもろに感じてはいたが、「ここまで抜け落ちているとは」。隠しようのない状態に驚きとがっかりが入り交じる。
あの主人、はさみを使いながら、今なら「割り引いてあげる」と笑顔かも。3色の回転灯の灯が消えて、もう7年になる。
子どもの頃から頭が大きいと言われ、自覚もしていた。それに髪は硬くてフサフサ。丸刈りから長髪になる時、「こりゃあ料金割り増し」と日ごろ無口な散髪屋の主人が笑った。
あれから何十年。しゃがんだ姿を上から撮られた写真、なんと頭頂に皮膚丸見えの薄毛の域が広がる。髪が減り寒暑の季節感をもろに感じてはいたが、「ここまで抜け落ちているとは」。隠しようのない状態に驚きとがっかりが入り交じる。
あの主人、はさみを使いながら、今なら「割り引いてあげる」と笑顔かも。3色の回転灯の灯が消えて、もう7年になる。