「オリンピックの開かれる年は」と小学校の先生が受け持ちの児童に質問した。「うるう年です」という元気な男児の答えが通じなかったのか先生は再び質問を繰り返した。「4年に1回で今年です」。先生は正解ですとほほ笑んだ。
今日はうるう年を示す4年に1回だけの日。オリンピックの開催は4年に1回、うるう年に開かれる。先の先生はこのことに気づかなかった。第1回オリンピック競技大会は1896年アテネで開かれた。今年のロンドン大会は第30回ということになる。
オリンピックはさておき、地球が太陽の周りを1周するのが365日と約6時間となるから、4年に1度、不足する1日をプラスして調整する、ことは理科で学んだのか理解できる。では4年ごとに1年366日はいつからだろう。
どうしてそう計算されたのかは分からないが、2000年以上前のローマの政治家ユリウス・カエサルは4年に1度、1年を366日とするユリウス暦を作っていた。これを改良したグレゴリオ暦(太陽暦)が現在も世界で使われているという。
日本が太陽暦になったのは1873(明治6)年。開国・明治維新という歴史の流れの中で欧米の暦に合わされた。それまでは太陰太陽暦、月の満ち欠けから計算した29.5日を1カ月としていた。19年に7回ほど、うるう月を入れ1年を13カ月として調整した。作物栽培では気温や日の長さなどは重要である。そのために暦は古くからよく考えられ庶民にまで周知されていた。先人の知恵が今の科学を作り上げていることを改めて思う。
(写真:ユリウス・カエサル)