その時は素人なりに考えて撮ったつもりでも、焼き付けられた写真を見てがっかりしたのは何年も前のこと。今は撮った直後に確認できるデジタルカメラで、気にいらなければひと押しで消去出来る。地方在住の記者も液晶で確認しながら撮り直している。
フィルムの時代は白黒もカラーも含めてシャッターを押すことに慎重だった。理由は簡単明瞭、難しく言えばコストが頭にあるから、考え考え撮った。そんなことから昔の人は上手く撮ったと言われるのかもしれない。私の持っている補助機材はストロボだけだった。
そんな中でもまぐれで1枚くらい気にいるものがあると嬉しいものだった。子どもの写真は子どもの顔の表情と同じくらいピンボケも含めて撮った。だが、大きくなるに従い枚数は激減した。間をおいて孫の写真になった。
デジカメになってパソコンへ取りこんで見ると何だこれは、という消去忘れにあきれることがある。反対に無意識に押したシャッターが面白いものを残していたりする。白鳥が寄って来たのでなんとなく撮った。パソコンを開くと水面に何やらあやしげな模様がある。墨絵のような線は何だろうか。