夜半すぎ。寝返りを打ったとき、写真撮影の連続するフラッシュ様の明るさを感じた。なに、と思ったがすぐに稲光と分かった。雷鳴は聞こえない。遠くだろうと眠りについた。
いつもの朝ウォークで起床する時間。稲光の間隔は短くなっており、弱いが雷鳴も聞こえる。暗い上空には黒い雲が見える。雨間じかだと思いながら勝手口を閉めた。
ウォークは中止、いつもする準備運動の軽い体操だけ済ませた。そのとき大粒の雨を感じさせる激しい音が聞こえ始めた。雷鳴も稲光も近くにあることが分かった。雨間じかとは感じたが、いきなりこんな激しさとは思わなかった。
災害が起きなければ、いまは雨に感謝する人ばかりだろう、と思ったが、勝手口を閉めるとき通った新聞少年が気になった。
一時、警報が発令されるほどの強い雨足だった。
雨足が一休みした。
戸外の風は思いのほかひんやりとして気持ちよかった。上空の雲は忙しそうに西空へ流れて行くが、その流れを見えなくする山肌からは、厚い靄が立ち昇っていた。いつもながらの梅雨の様子だ。
庭木にカタツムリがいた。雨を喜ぶかのように、進みが速い。湿気を好むカタツムリと書いてあるが、雨のほうが似あうと思った。頭部にある2対の触覚を使って進むが、進む先の枝は剪定されて無い。どうするのか、引き返すのだろうが、見届けてはいない。らせん形の殻の色がきれいだった。
朝ウォークへ出ていたら急いで引き返しただろうが、ずぶ濡れは避けられなかった。こんなときカタツムリはどこで雨宿りしていたのか聞き漏らした。
(写真:気持ちよさそうなカタツムリの姿)