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☆加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

2009年10月24日 11時54分11秒 | 文学
それでも、日本人は「戦争」を選んだ加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」(朝日出版社)を読んだ。
日露戦争あたりまでの話はよくわかりおもしろかったのだが、日中戦争、太平洋戦争のあたりは複雑で難しかった。
学生への講義という体裁の本なのだが、学生への質問、それに対する答えも日清戦争や日露戦争のときは多く、すごい高校生がいるなと感心していたのだけれど、終わりのほうの太平洋戦争になると加藤陽子がひとりでしゃべりまくっている印象で、このとき学生はちゃんと聞いているんだろうか、退屈してないかな、と心配になった。
もっともおもしろかったのは序章で、歴史というのは学問なのだなと初めて思った。これまで僕は歴史を学問とは思っていませんでした。すみません。
しかしどういうところで感心したのか、もう忘れてしまったので、加藤陽子の、この本の序章を一冊にしたような本があれば読んでみたい。
《つまり、戦争などで外国で戦死した青年の魂は、死んだ場所死んだ時を明らかにして葬ってあげなければならない。》(390頁)
そうしないと魂はたたる、という慰霊の感覚はもう僕にはないように思う。
《引揚げ体験を元にした小説『けものたちは故郷をめざす』(新潮文庫)は傑作ですので読んでみてください。》(393頁)とあったが、安部公房「けものたちは故郷をめざす」(新潮文庫)は絶版のようだ。僕は結構本屋には行くほうだが、この本が新潮文庫の棚に並んでいるのをこれまで一度として見たことがない。
こういうのって調べといてくれると嬉しいなと思う。
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