村上龍『ユーチューバー』

村上龍『ユーチューバー』（幻冬舎）を図書館で借りて読んだ。
先に『長崎オランダ村』を読んだが、こちらの続編と考えて良いのだろう。登場する作家が同じ。
しかし『長崎オランダ村』と比べるとやはり元気がない。村上龍はもっとおもしろかったはずだ、とどうしても思ってしまう。
どうせ元気がないなら開き直っていまはこんなに元気がありません、と書いたほうが良いのではないかと思う。『テニスボーイの憂鬱』とかいま元気がないということを書いたものもあったと思う。
コロナ禍はずっとケーブルテレビやユーチューブを見て過ごしたのだろうか。そういうことを感じさせる小説だった。
そしてどうせこのように女性関係を書くのであれば、奥さんのことも書いたらいいのになと思った。そこを書かないので誤魔化している感じがしてしまうのだろう。