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石井妙子『原節子の真実』

2017年06月17日 19時21分24秒 | 文学
図書館で借りて石井妙子『原節子の真実』(新潮社)を読んだ。
真実というような話はあまりなかった。以前読んだ千葉伸夫の『原節子 伝説の女優』と同じような話だった。恋人がいたというような話がちょっと追加されたといった感じかな。
義兄の熊谷久虎との関係の怪しさが描き方によって強調されていた。
小津安二郎の映画を原節子が評価していなかったというように描かれていた。
小津安二郎自身も”小津調”を嫌々撮っていたというのはどこから聞いた話なのだろうか。誰が言った話なのかはっきりとしないまま書かれていた。プロデューサーの山内静夫が平成二十年になって語っている言葉のみがその証拠のようにあげられているのだが、あまり証拠とは言えない。
原節子本人のインタビューができなかったので過去の記事から本を作るしか出来なかったのだろうが、筆者の思い込みによるところが大きいように思えるところがあった。
『秋日和』から『小早川家の秋』までの間に原節子の右目が悪くなったという話が載っていて、確かに『小早川家の秋』では衰えを感じたのはそのせいだったかと思った。
そういえば『小早川家の秋』で浪花千栄子が中村鴈治郎に麦茶をあげるときに砂糖を入れるかと訊いていて、びっくりした。麦茶に砂糖を入れていた時代があったのか。

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