ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

ケン・リュウ『ケン・リュウ短篇傑作集2 もののあはれ』

2020年01月23日 21時54分10秒 | 文学
ケン・リュウ『ケン・リュウ短篇傑作集2 もののあはれ』(早川書房)を読んだ。
この巻はあまりおもしろい作品がなかった。
「編・訳者あとがき」に単行本発売のときに気に入った作品を三篇つぶやくというキャンペーンを行ったそうだが、僕が選ぶとすれば「紙の動物園」「心智五行」「愛のアルゴリズム」で、どれも文庫では『ケン・リュウ短篇傑作集1 紙の動物園』に入っているもの。

「もののあはれ」
映画『ゼロ・グラビティ』を思い出した。

「潮汐」
ちょっとよくわからない。

「選抜宇宙種族の本づくり習性」
これもちょっとよくわからない。レコードみたいに本を残す種族がいて、何度も読んでいると劣化するから読まないというのが少しおもしろかった。

「どこかまったく別な場所でトナカイの大群が」
短篇集『母の記憶に』のなかに「残されし者」というのがあり、同じ世界観だった。
人間がコンピュータのなかの存在になるという、シンギュラリティ後の世界。
こんな話、好きか嫌いかでいえば好きではない。

「円弧」
技術により永遠に生きられることになった女性の話。
ボディ=ワークスについては、昔「人体の不思議展」という、死体をいろいろに加工した展示を見に行ったことがあるのだが、それを思い出した。
息子が母親の年齢を超えるというのは「母の記憶に」と同じだ。

「波」
これも長生きする女性の話。
これがケン・リュウに限ったことなのか、だいたいSFというものがそもそもそういうものなのかわからないが、読んでいると手塚治虫の『火の鳥』を思い出させる。
女性が長生きする聖書を元にしたような話が『火の鳥』にあった気がするな。
またシンギュラリティ。

「1ビットのエラー」
天使を見たという記憶が中心にある話で、もう少し感動できそうな話である気がするがそんなにおもしろくはなかった。

「良い狩りを」
狐が人間になり、さらに機械になる。
機械の体というと『銀河鉄道999』を思い出す。
コメント    この記事についてブログを書く
« まだまだ続くSF週間 | トップ | エーリッヒ・フロム『悪につ... »

コメントを投稿

文学」カテゴリの最新記事