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菅原千恵子『宮沢賢治の青春 “ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって』

2019年02月17日 13時19分15秒 | 文学
菅原千恵子『宮沢賢治の青春 “ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって』(宝島社)を図書館で借りて読んだ。とてもおもしろく、夢中になって読む。
宮沢賢治は童話は読めるが、詩は意味不明の科学用語が並んでいて読めないと思っていたのだが、保阪嘉内という補助線を引いてみれば読めるのかもしれないと思った。
宮沢賢治は、妹トシを思う優しい兄というイメージや雨ニモマケズに頑張る人というイメージで聖人として扱われてきたのだが、学生時代に知り合った保阪嘉内を生涯愛して、信仰の違いから仲違いをして、それでも賢治はずっと彼のことを想っていたと考えると、とても宮沢賢治に親しみを持てる。人間的である。
この本を読んでいると、保阪嘉内への手紙がたくさん残りながら『銀河鉄道の夜』のカムパネルラを妹トシのことだと考える研究者は愚かだと思わざるを得ない。おそらく男性の研究者には無意識に禁忌の気持ちが強く、そういう目で宮沢賢治を見ることができなかったのかもしれないなと思う。
非常に分かりやすくなったように思うので「春と修羅」や「小岩井農場」や、『銀河鉄道の夜』を読んでみたい。
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