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バージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』

2022年05月07日 23時51分05秒 | 文学
バージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
ずうっと昔に集英社版で読んだことがあるが、まったく意味がわからぬまま最後まで読んだという記憶がある。
今回は翻訳が良かったせいか、時間があったので短い期間でしっかりと読めたせいか、とてもよく理解できたように思う。

ひとの考えだけをつなぎ合わせて、別の人物が登場したらその人物の考えが書かれていくというような、そのような書かれ方だった。
もっと何が書かれているのかわけがわからない小説なのかと思っていたが、そのようなことはないし、セプティマスやピーター・ウォルシュなど、考えに寄り添って感情移入することもできる。意識の流れの実験的な表現を、知的に愉しむ(?)だけの小説ではなく、きちんと生きていく悲しみのようなものを感じることができる。
最後のパーティのシーンでは、それまで登場したひとが一堂に会し、あっちへいったりこっちへ来たりする。もうこのあたりの場面までくればこの小説の書き方にも慣れているので、考えの行ったり来たりを楽しむことが出来た。
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