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内田樹『そのうちなんとかなるだろう』

2019年11月10日 22時44分26秒 | 文学
内田樹『そのうちなんとかなるだろう』(マガジンハウス)を図書館で借りて読んだ。
書店で立ち読みしたときに、これまであまり自身の離婚の話をしていないのに珍しくしているなと思い興味を持って、今回全部を読んでみたが、もっともおもしろいのはやはり離婚の話、そしてそのとき娘が父親を選んだ話、だった。
とても内田樹らしい話が、読みやすく書かれていて、すらすらと読むことが出来た。
ほんとうは、これまでの人生でつらい時期もあっただろうけれど、語り口が軽いので重々しくなく読める。
内田樹はこれまでの人生で二度ほど鬱病になったという話を聞いた事があるように思うが、その話はなかった。身内の死についても多くは語られなかった。
全体的に人生は、まあ良かったよ、という話になっていた。
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岸見一郎『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』

2019年11月10日 14時42分42秒 | 文学
岸見一郎『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』(筑摩選書)を読んだ。
『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』をどちらも読んでみて、アドラー心理学には「なにか」があるだろうなと考えている。とても自分に合う、好きな考え方がある。アランの『幸福論』の考え方が好きだが、それに通じるものがあると思う。
しばらく学びたい。
昔、桜井和寿(Mr.Children)がテレビで、常識の裏もまた真実であることに気付いた、というような発言をしていたが、アドラーの考え方も、常識の逆を行くようなものが多い。フロイトが過去にこだわって、こだわりすぎてそこから抜け出せなくなってしまい、過去が固定化してしまうところがあるのに対して、アドラーは今だけを見ようとする。
そしてそれがとても有効なように思う。

《大人は子どもを等身大では見ない。過剰な期待をするか、過小評価をする。子どもはそのために勇気をくじかれ、自分自身への信頼を持てなくなってしまっている。そのような子どもが課題に取り組む勇気を持てるよう援助するには、「あるべき」子どもではなく、(現に)「ある」子どもを見るところから始めるしかない。》(198頁)

上記のような話は子育てをするときに参考になるが、それだけではなく、ここで言う「子ども」は大人が自分のなかにいつまでも抱えている自分自身の子ども時代、自分の過去、というようにも読むことが出来ると思う。
子どもがいると、自分の子ども時代について考えさせられる事は多い。
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小谷野敦・小池昌代『この名作がわからない』

2019年11月10日 01時25分56秒 | 文学
小谷野敦・小池昌代『この名作がわからない』(二見書房)を図書館で借りて読んだ。
基本的には小谷野敦が、名作と言われるこの小説の何が良いのかわからないというのを自信を持って話すという対談だった。小池昌代も好き嫌いがはっきりしていて、ドストエフスキーの長篇なども好き嫌いを言えていておもしろかった。
章のタイトルになっている小説は、僕もだいたい読んだ事はあるのだが、『グレート・ギャツビー』などをはじめとしてよく分からないものもある。
そうだそうだ、と思う事も多かったが、小谷野敦がとても癖の強いひとで、そこのほうが印象に残った。
読んでいると、おもしろくないという話も多いが私はこれはおもしろかったという話も多く、興味を持った本も多い。

三島由紀夫「仲間」「荒野より」
深沢七郎「風流夢譚」
テネシー・ウィリアムズ『去年の夏 突然に』
ガルシア=マルケス『百年の孤独』
フォークナー『アブサロム、アブサロム!』
川端康成『眠れる美女』
北村薫「いとま申して」シリーズ
チェーホフ「黒衣の僧」
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