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東浩紀『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』

2016年09月04日 22時45分53秒 | 文学
東浩紀『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』(講談社文庫)を読んだ。
ルソーの一般意志の解釈のところはとてもおもしろく、非常に興味深く読み進めていたのだが、著者の想像する一般意志2.0の具体的な表し方が「ニコニコ動画」のようなものであるというところで少しがっくし来た。
しゃべっているひとの顔の横を文字が流れて行くあの感じがどうも好きじゃないんですよね。
しかもそれが人々の一般意志を表すというのもよくわからない。
たぶん、もっと別のかたちを、「ニコニコ動画」がもっともっと進化したかたちの物を想像すべきなのだろうと思うが、そうだとしたところで、一般意志を表す表し方というのが実は具体的にどういう物なのかがはっきりはしない。
人々が個々で思っていて、誰と会話したわけでもない意見を、取りまとめるわけでもなく、個々別々のままで集まったもの、それが一般意志であるとすれば、それを何らかのかたちで表現する(グラフとか言葉とか)というのはやはり無理なのではないかな。
なのでそれを具体的なかたちにしようとすると「ニコニコ動画」のようなものを例にしなければならなくなるのではないかな。
結局一般意志はルソーの考えたままで、情報技術の革新があってもそれを表現することは無理で、結局想像上の物に留まっているんじゃないかと思う。

私自身があまりインターネットというものを肯定的にとらえていないので、そのように思うのかもしれない。

おもしろい本ではあった。
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『戦争と平和』まだまだ

2016年09月04日 02時51分45秒 | 文学
この夏の宿題は二つあって、
・『戦争と平和』を読む。
・毎日筋トレを行う。
だったのだが、筋トレは一応毎日やっているが(一日二回。できないときは一回)、トルストイの『戦争と平和』はまだ文庫の一冊目も読み終えられていない。
あと50ページくらいなので、一巻目はもう少しだが、全巻を夏の間に読み終えるのは無理だった。
この前NHKBSで『戦争と平和』の映画が放送していたので録画したが、まだ見ていない。NHKでは『戦争と平和』の海外ドラマももうすぐ放送するようなのでそれを見る前までには読み終えておきたい。
まあ、なかなか読むのが大変な小説です。
もしかしたらいままで読んだ中でいちばん読むのが大変な小説かもしれない。『失われた時を求めて』よりも『白鯨』よりも大変かもしれない。『坂の上の雲』よりは読みやすいかもしれない。

國分功一郎の『民主主義を直感するために』を読んで興味を持った、東浩紀の『一般意志2.0』を読んでいる。
とってもおもしろい。
これまで私たちのイメージしている民主主義は、情報技術の変化によってその概念が変更されるべきであるというような話はあまり聞いたことがなくて興味深い。
ルソーの一般意志というのは、みんなが口に出して意見を言い合ってまとまったものではなく、ひとりひとりが誰とも意見を分かち合わないで存在している、物のような存在であるというのも興味深い。そんなものは概念としてしか存在しないけれど、インターネットの発達によってそれがデータベース化されるようになったという話のようだ。
興味深いのだが、まだ「ほんとかいな」と思いながら読んでいる。
グーグルで検索することが、ほんとうに「誰とも分かち合わない」個々の意志の反映となっているかがまず疑問だ。すぐに候補が出るし、テレビ番組を見て検索することもあるし、なんらかのバイアスがかかっているんじゃないかなあ。
しかしそのような検索データベースに反映されたようなものを人々の意志として見るということがおもしろい。これまでの概念の変更を強いるような本はおもしろい。

今日書店で万城目学の『とっぴんぱらりの風太郎』という本を見て読みたくなった。
『戦争と平和』を読み終えるまでは小説を読まないようにしているのが、『戦争と平和』を読み終えたらいろいろ読みたい。
ヘーゲルの『哲学史講義』も文庫化されていて、立ち読みしたら無性に読みたくなった。
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