![秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41PMCtqd-ZL.jpg)
アランの『幸福論』にはいろいろなことが書かれているが、それを物語で実践したようなお話だった。不機嫌は幸福を遠ざけるとか、体操をすべきだとか、草むしりをしろとか。
こんなに良い小説はないというくらいよい本だと思う。
とてもおもしろかった。
最後の場面でコリンが父親に花園の出口で出会うがとても良い場面で、父親にとっては花園で死んだ妻(にそっくりの息子)に出会うということになっている。この息子のコリンは父親の心の中のこどもでもあって、コリンが回復していくことが父親の回復へつながっている。
このような読んで健康的に、幸福になるような小説をしばらく読んでいきたいなと感じた。でも、読んで幸せになるような小説ってあまりないように思う。思い浮かぶのは『トム・ソーヤーの冒険』と『赤毛のアン』くらい。児童文学には健康的なものが多いのに、大人の小説には不幸になる話が多い。大人になるというのは不幸になるということだという固定観念があるのだろうか。