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オースター『幻影の書』読了

2012年01月29日 23時11分20秒 | 文学
大河ドラマ「平清盛」の三回目か四回目の放送を見る。
松山ケンイチは、黒澤明の時代劇における三船敏郎のような存在だなと思った。
いつもギャーギャー騒いでいる感じが似ている。顔も似ているような気がしてくる。
狙っているのなら見事というしかない。

ポール・オースター『幻影の書』(新潮文庫)を読み終える。
後半は少し退屈した。
前半はおもしろく、後半は退屈するというのが僕のいつものポール・オースターの読み方のようで、そのせいであまり熱心に読んでいないのだ。今回読んでいて思い出した。
大江健三郎の『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』も映画の話で、架空の映画の内容が詳しく描かれたと思うが、感想としてはそのときと同じで「そんな映画見たくないなあ」という感想だった。映画の描写があんまり長いと、そんな映画ないのになんで詳しく知る必要があるの? という元も子もない、だったらなんで作りごとの小説なんか読んでいるんだ、というほんとうに恐ろしい全否定の問いに発展しそうな考えに陥りそうになる。
いろいろなひとが死ぬのだが、全体的に作りごとめいているところがあるのであまり悲しい気持ちにはならない。
最初の、こちらの勝手な思い入れが強い、妻子が死ぬところ以上に切ない気持ちになるところはなかった。
僕はもう、ポール・オースターは読まなくてよいのかもしれない。
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