自浄能力なし!

2004-09-09 14:26:12 | スポーツ
2593a910.jpgプロ野球オーナー会議は新しいネタもなく、パリーグがマイナス1チームということで終わった。
技術的な問題からいうと、5チームでは1日に2試合がしかできないからリーグの進行は遅い。6チームが毎日試合をすると140日で終わるのに、5チームでは140日目には117試合しか済んでいない。140試合済ませるには168日もかかる。1ヶ月も長くなる。これでは日本シリーズをやってもらえないではないか。結局、ダブルヘッダーでリーグを前に進めることに終始するだろう。夏の暑い昼間から2試合も見られるかということである。
過去に何回か書いたが、米国だって30チームを14と16に分けている。奇数は不都合だ。そんな計算はすぐできる。

三方一両損ということばあるが、経済的にもっとも損するのはパリーグ各球団、特にオリックスは全くもくろみ違いとなった。次に痛いのは選手。セリーグも一円ももうからない。
近鉄だけは、これで損切りというわけである。後は野となれ山となれだ。
12球団の中で、本業の経営が絶好調の企業は少ない。セリーグにだって経営失格はある。しょせん一回1億円以上のテレビ放映権をあてにしているだけで、安定的経営とは言いがたい。成績の悪い選手は直ぐにクビ切りだが経営権は変えられない。

もっとも、利益を出すことと野球ファンの喜びを高めることとは、若干方向が違うのだが、大赤字を出すのでは論外である。

ライブドアがユーザーサイドに立った企業かどうかの確信はないのだが、一般的に、企業を買いたい人と売りたい人がいるのに交渉できないのも不自然である。また、単独企業ではなくファンド型にして、売り出したっていいではないか。

経済学ではゲーム理論というのがあり、互いに相手の手の内を読み合って戦術を立て合うと全体最適値に到達しないというのがある。しかし、その理論は、自らの利益を最大にしようと考える場合になりたつ。今回の事件では、お互いに先に退出しようというネガティブ構造で、「囚人理論」というモデルに近いのだろうか?いやそうでもない。「囚人理論」は情報の非対称の時に発生するのだが、本件には、あまり秘密がない(ガム1億枚で球団が買えると誤認した人はいたのだが無理だった)。あまりに非経済的仕組みで妥当な理論はない。レフェリーが必要なのはグラウンドの中ではなく外だったのだ。本当に、困った人たちだ。

よく考えると、組織疲労とガバナビリティの不足という日本を覆う深い霧がプロ野球も包んでいたことがわかる。サッカー界は川淵氏がスーパーパワーでまとめた時の勢いが、まだ続いているが、野球は80才以上のオーナーに期待するほうがおかしい。

しかし、一歩下がってみれば、野球に限らず、社会のほとんどの場所で、こんなでたらめがまかりとおっているのだ。ファンだって、こういう時ばかり騒ぐのではいけないのである。大阪や千葉の知事だって慌てて球場へ駆けつけるようでは言も軽い。大部分の野球ファンはこう思っているのではないだろうか。「どうせテレビに映らないチームなのだから」それも事実である。選手のストライキに反対するのもいいが、球場に行かないファンは、自分がストライキしているようなものともいえる。

ここまでくればもう、たいして経済的実害のない事例と割切り、国民みんなが嫌な思いをすればいいのである。その結果、労害やら、社会構造の閉鎖性やら、傍観者精神やらを一掃しなければならないことに気付けば、それでいいのである。


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