トランスポーター(2002年 映画)

2019-10-29 00:00:15 | 映画・演劇・Video
シリーズ物に手を出すと、色々と苦しくなるというのは、よくある話で、寅さんとか釣りバカとか座頭市とかを極める気にはならないが、数本のシリーズならいいだろうかとか思って、『トランスポーター』を見てしまう。



リュック・ベッソンの脚本で、主演がジェイソン・ステイサム。英国人だ。なんとなく007シリーズのように、一人で暴れまわる。たぶんラグビーでもしていたのだろうと思って後で調べると水泳の飛び込み選手だったそうだ。007と大きな違いは、ジェームズ・ボンドは英国のスパイ(つまり公務員)という正式な職業なのに対し、『トランスポーター』の主人公のフランク・マーティンは、運び屋である。運ぶ物にはこだわりがなく、「私はなんでも正確な時間に運びます」と、日本の大手運送業者と同じことを言う。

シリーズ第一作で運ぶのは、若い女性。バッグに詰められている。本当は、なぜ運ばれるのか、今一つわからないのだが、この女性の父親は中国系のマフィアだ。アジア系のこども約400名をフランスに密輸しようとしていた。

そして、運び屋の口を封じようとする組織、警察、運んだものの組織から逃げ出した女性との関係とか、話が徐々に複雑になり、時々、カーチェイスが行われ、フランスのどこかの町に瓦礫と死体の山ができる。愛車はBMW。今度はドイツ製だ。もっともカーチェイスできるような車はフランスにも、アメリカにもないだろう。シリーズは進展しても、カーチェイスはそのままだが、次あたりは、ドローンに乗って空中戦になるのだろうか。

書き忘れたが、中国マフィアの娘を演じるのはスー・チーさんといって有名政治家と同じ名前だが、台湾の女優だ。


実は、このDVDを観たのは先週だったのだが、その日のニュースで、ロンドンの近郊でトレーラーのコンテナから39人のアジア系(全員あるいはほとんどが中国人)の遺体が発見される事件が起きていた。なにか嫌な感じだ。スーパーマンやバットマンの映画なら、誰かに頼まれる前に事件現場に正義のヒーローが現れて事件を最小化してくれるのだが、ジェイソン・ステイサムは報酬を先に決めないと活躍してくれない。

18世紀から19世紀の人身売買については、もっぱらポルトガルがアメリカ大陸向け、英国が欧州向けとテリトリーを決めていて、リバプールが奴隷集荷場だったと言われる。今回の事件と同様に、多くの奴隷が寒さのために亡くなったとされている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿