秒速5センチメートル(2007年 劇場公開アニメ)

2021-07-05 00:00:35 | 映画・演劇・Video
新海誠監督の初期の作品。賛否両論が巻き上がり、そのほとんどが否定的なのだろう。



三部作になっていて、「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」。

美しい画像に桜の花びらのゆっくりと散りゆくシーン。騙されてしまいそうだが、三部共通の主人公は遠野貴樹。13才の中学生の頃は同級生の篠原明里との別れを感動的に演じ、18歳の高3の時は同級生のサーフィン少女の恋心をもてあそび、社会人になっては自分探しの旅のため、交際中の女性に冷たい態度をとって、退社。

優柔不断なモテオ君にありがちな次々に女性を不幸にしてゆくタイプの精神的放浪記といっていいのだろう。ある意味、「大人になり切れない無責任男」ストーリーのように思えるが、例えば、石器時代の平均寿命は15歳だったと聞けば、その頃は部族としてこどもの数を増やし続けなければならなかっただろうし、一夫一妻制などにはこだわらず、生殖可能年齢になったら将来の責任なんてこと考えずに子作りに励んだのだろう。

この映画では、少年時代には愛する相手を幸せにする責任があるという思いで、前に進めなくなる男女という側面もある。

しかし、江戸時代なら、そもそも生まれたときからある程度自分の未来は計算できたわけなのだが、藤沢周平小説では、生まれながらにして将来の自分や結婚相手の選定もおよそ型通りの相手になるような世界に対して、抵抗感をもった主人公が登場する。

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