マッチポイント 殺人犯の運命は

2014-08-04 00:00:20 | 映画・演劇・Video
2005年公開のウディ・アレン監督作。英国上流階級を小馬鹿にした映画だった記憶があり、観終わった時の第一印象は、「英国紳士の集まりにノーネクタイで行くのはアイルランド人とみなされる可能性がある」ということ程度だったのだが、しばらくして、色々な細部が繋がってきた。

ネットで評を読んでみると、私の第一印象と同じように「駄作」と思った人と、シェークスピアクラスの名作と評する人に二分されることがわかった。もっともシェークスピアは彼の前に彼はいないのだが、現代のシェークスピアは、シェークスピア劇のもじりと言ってしまうこともできる。

おおあらすじで言うと、元テニスプレーヤーのクリス(ジョナサン・リス・マイヤーズ)がテニスコーチをしていて、知り合った大富豪一家の娘と首尾よく結婚し、会社の重役に昇進していくのだが、愛人ノラ(スカーレット・ヨハンソン)との愛慾生活に溺れているうちに妊娠させてしまい、離婚を迫られるわけだ。よくあるドラマ筋である。

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で、ここでついに殺人を決行するに及ぶわけだ。私は、話の流れからして、本妻を殺すのではないかと途中で予測していたのだが、猟銃で撃ったのは愛人の方。さらに麻薬中毒者の強盗殺人を装うために、無関係の愛人の隣人を殺してから偶然現場で出くわしたかのように偽装工作を行う。

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で、一見、警察の捜査から逃げ切ったかのように見えるところで、THE ENDとなるのだが、・・・

途中でクリスが読んでいたのが「罪と罰」。証拠隠滅の綻びは何カ所かにあって、隣人の指輪を川に素手で投げ捨てたのが失敗。さらに凶器の猟銃を義父の銃ケースに戻す時にはまたも指紋を残している。刑事は、まだ疑念を晴らしていない状態でクリスはノラの亡霊に悩まされる。「罪と罰」状態が進んでいくわけだ。またロンドンには市内に防犯カメラが多数設置されているし、目撃者は多い。

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気になって調べてみると、英国(イングランド)では、殺人事件に時効はない。現場に髪の毛でも落としていれば、いずれ、正義は勝つのではないだろうか。

ところで、何かコーチをして大富豪の娘と近づきになると、いいことがあるのだろうか。何も愛人作成まで発展しなければそれでいいではないだろうか。手っとり早いのが将棋コーチなのだが、わざとゆるめて、「お強いですね、すぐに女流プロに勝てます」とか保証してしまい、女流プロに「わざと負けてもらう工作をお願いする」というような展開になるのだろうか。工作料の出費が予想される。なかなか成功への道筋が描けない。


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