真相開封(文藝春秋編集部編)

2021-10-13 00:00:28 | 書評
「昭和・平成アンタッチャブル事件史」とサブタイトルがついている。文春文庫である。真相開封というと未解決事件がすべて解決のように聞こえるが、実は本書を読んでも何一つ解決しない。

多くは、未解決事件や闇に葬られてしまった事件について、捜査関係者から聞き出した内容が記されている。また自社の記者の努力の結果、わずかに新事実がわかったこともあるようだ。

つまり、本書に書かれているグリコ・森永事件や世田谷一家惨殺事件なども重要な手がかりに到達したものの、解決までには道が遠いということ。

文芸春秋と言っても、タレントの不倫などの話はなし。政治家の話も僅かだ。

特筆すべきはグリコ・森永事件に登場した「こどもの声の脅迫電話」。その後の捜査で事件に関係した子どもは3人、または4人ではないかということ。声紋分析が発達して再調査の結果、色々と判るようになったらしい。ということは当時の鑑定で逮捕された人の中に冤罪はなかったのだろうか。

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