ワールド・イズ・ノット・イナフ

2015-10-12 00:00:45 | 映画・演劇・Video
007シリーズ第19作。ピアース・ブロスナンがボンドを演じる。ブロスナンシリーズになって、筋書きがリアルになる。そして、国家の対立というのが基調にならず、大企業の幹部が、国際的ならず者と手を組んで、巨大な災害を人類に与えることによって利益を得ようというようなことを考え出すことになる。数百万人の住む都市を一瞬にして死の街にして、その副作用として現れる経済構造の変化で大金持ちになろうということだ。

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本作もイラクの油田からのパイプラインを核兵器で破壊して、世界の原油価格を意のままに操ろうという策略だ(もっとも、どうやっても意のままにはならないと思うが)。

さらに、ブロスナンにかわって、命の価値が下がって様な気がする。敵の基地を守る下っ端について、以前のボンドは、なぐる、ける、しばるといった方法で意識不明にするのが通常だったが、本作では、敵に見つかると相手かまわず、容赦なく打ち殺したり、爆破したりする。これが世界のスタンダードなのだろうか。

さらに、裏切られたボンドガール(ソフィー・マルソー)を、あっさりと射殺。ボンドは愛した女は殺さないことになっているのではないか、と女に言われて逆上してしまったのか、あるいは観客に対してボンドの方針変更を明らかにしたのかもしれない。

そして、シリーズの常連だった新兵器開発者のQだが、デズモンド・リュウェリン氏がついに引退する。引退記念にボンドカーはかつてないほどに大破するのだが、リュウェン氏自身も撮影終了後、数週間で他界。われわれの会社生活でも、そういう人は時々いる。病気がちだが会社が好きな人とか、なかなかやめない大物会長とか。

ところで、BSジャパンの007シリーズの連続放送だが、これで第19回まで観たのだが、当然ながら12月の1週目に日本公開になる最新作(第24作)までに、残り4回を放送するのだろうと思っていたのだが、突然終了するそうだ。

今までに、23作と番外(アメリカ製)1作がある。あとは、自分でビデオショップへ行くということになるのだろう。中途半端だなあ。

なお、連作物といえば、座頭市26作。釣りバカ日誌20作ということだ。もちろん、これからシリーズで観たりはしない。


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