張り手王に沈められるのは

2017-12-14 00:00:31 | スポーツ
貴ノ岩問題とは別なのだが、横綱白鵬の相撲の取り方にいくつかの「?」が付いている。

まず、「かちあげ」。肘の周りに厚さ1センチを超えるような大型サポーターを巻いて、相手の顔の当たりを狙って下から上にアッパーを食らわす。本来の相撲的な技は、体当たり、頭突き、突っ張りといったところだから、相撲の範囲を出ているかもしれない。ケガを保護するためのサポーターではなく、かちあげした時に傷めないようにあらかじめサポーターをするというのはどういうことなのだろう。一方、一部ではエルボーではないかという人もいるが、ひじ打ちはそもそも禁止されていない。拳でのパンチは禁止されている。

次に「張り手」。相手の出足を止めるのに気勢をそぐかのように顔に平手打ちをするのだが、相撲のプロの頂点なのに恥ずかしくないのだろうか。もっと振りかぶって一発で仕留めるというようなものでもなく(それはそれで問題だが)、格下力士が張り手のお返しをしにくいことを知って使うのだからパワハラなのだろう。ルール上は両手で同時に耳の付近を張るのは禁止になっているが、物理的に両手打ちは無理だろう。さらに顔の前に手を伸ばすという奇手も使う。かつて輪島という怪しい横綱が使っていた衝撃緩和策だ。それくらいはいいだろうか。

さらに、俵の外に出た相手に、「ダメ押し」。負けた相手は力を抜くので、大ケガの元だし、他のスポーツだったら「レイトタックル」となり退場処分で2試合出場禁止とかなる。


ここで、18世紀の終わりから19世紀の初めに活躍した雷電為右衛門のこと。生涯254勝10敗2分14預かり5無勝負41休。無勝負とか預かりとか多い。無勝負とは現代の「同体取り直し」。預かりとは取組終了後、何らかの横やりが入り審議が行われ、結果としてうやむやになること。おそらくその全部が雷電の勝なのだろう。史上最強力士で、身長197センチ体重172キロと言われる(体重を計ったのだろうか)。

先に書いておくが、当時の勝敗表は現存するが、伝承されている事項とは矛盾することが多い。根も葉もないことは伝承されないだろうが完全な真実はわからない。

やたらに強かったので、講談や落語の世界でいわれているが、いくつかの技を禁止されていた。「張り手」「鯖折り」「かんぬき」「鉄砲(突っ張り)」。ある程度は真実なのではないだろうか。この預かりとなっているのが怪しい。老横綱(大関)小野川との一戦は雷電が勝ったが、諸般の都合で「預かり」とされたとされている。これを伝え聞いた小野川の母は名誉を傷つけられたと怒りの自害をした。


さらに大横綱の白鵬と貴乃花の板挟みになっている八角理事長だが、この八角という力士名が雷電に関する講談や浪曲に登場している。雷電は強すぎるので、はじめから西関脇としてデビューしている。その場所の初日(あるいは三日目)にあたったのが八角であった。

そして勝負は一瞬で終わる。雷電の張り手一発で八角は血反吐を吐き、土俵に沈む。そしてその日が彼の命日になった。と言われる。そしてさらに話は続き、八角の敵を討つため大岩という力士があらわれ対戦するのだが、雷電は大岩に両まわしを取らせた上、その上から両腕を締めあげ骨折させてしまったとなっている。

そうなれば、張り手王と八角親方の対戦など、結果は知れているのではあるが、実際には雷電のデビュー場所の初日は「鈴鹿山」、三日目は「出水山」と対戦している。むしろ二日目に当たった「時鐘」は三日目以降休場。その後の場所も多くは休場を余儀なくされ番付から姿を消している。

また、八角とか大岩という力士も当時の番付には見当たらないようだ。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (市橋宗士 No2 )
2017-12-15 22:50:51
葉一郎さま

 この横綱Hは、どうみても考えてもおかしいと思う。
 記録も本当に実力からなんだろうか、と思ってしまう。
 疑問符だらけの国技「相撲」は2020までに信頼を
 取り戻せるんだろうか。まぁ、最近取り組みを観てない
 んで、あまりえらそうなことは言えないんですが。
                               市橋
返信する
Unknown (おおた葉一郎)
2017-12-16 09:16:52
市橋様
横綱Hですが、相撲ファンはずっと見続けているので徐々に荒っぽくなっているのに気づかないのでしょうね。時々見ると、省エネスタイルになっているのに気付くようです。サポーターをして肘打ちはひどいと思いますね。
返信する

コメントを投稿