かえり道(2017年 映画)

2024-06-25 00:00:29 | 映画・演劇・Video
舞台は福島県浪江町の帰宅困難区域。福島第一原発の炉心融解事故により町を出ることになった一家の家庭内ドキュメンタリー映画。



実は、当事者によるこういった記録はなかった。記録を撮影し続けたのはまだ十代だった娘。事故から5年経って、住むことのできない元の住宅の状態、墓参り、そして、家族はそれぞれの新しいポジションの都合で別居中。

ラインでの連絡で家族は繋がり、それぞれの忙しい時間に追われて、震災の記憶を捨てようとしているのだが、5年や10年で記憶がなくなることなんかないわけだ。

父親は元々原発で仕事をしていて、仕事に戻っているし、母親は一時避難した郡山に留まり、娘は大学に進学。

一家は、もう住めないと思われる自宅を解体しようかと悩み始める。家を壊すことは故郷を捨てることを意味するわけだ。

映画が公開されてから7年が経ち、やはり浪江町の大部分は帰宅困難区域のままで、娘は映画監督になった。