我慢比べ三題

2023-09-05 00:00:53 | 落語
今週の落語は、「そば清」(柳家さん喬)、「強情灸」「芝居の喧嘩」(柳家権太楼)の3題。

そば清は、江戸の町人の好物だったソバ屋での話。今でも有名蕎麦店ではザル一枚を頼むと、究極の少量で、基本は二枚以上食べるのが習わしになっているが、いくら旨いとはいえ10枚食べる人間はいないだろう。

ところが大食いを稼ぎの種にしている「清」という男がいた。苦しそうに蕎麦のお代わりを受けているうちに周囲から挑戦状が届く、そして三十杯の戦いが始まるが、謎の薬を使って消化を早めようという魂胆の男には、巨大悲劇が待ち受けしている。

「強情灸」
これは、灸の噺。「熱い/熱くない」の言い合いから山のようにもぐさを背中に灸を打ち始める。当然ながら背中が火事になる。寓話なのか?

「芝居の喧嘩」
劇中劇のように賑やかな筋書きのはずなのだが、どうも時間が足りないことに気が付く。本来の「芝居の喧嘩」は立川談志の十八番とされるのだが、芝居の観客席での喧嘩に発展。

柳家権太楼の」「芝居の喧嘩」は落語と講談の差である「オチ」について。落語に「オチ(さげ)」は必須だが、講談にはオチはなく、一回分をし終わるとを、「さて、この後の話はどうなるのだろう」と言ってしまえばいい。そして、新宿の末廣亭の噺。1時間の枠に7人も入れるので、一人当たり10分以下では若手の落語家では「オチ」まで到達しないので、講談でもないのに「これから先、いったいどうするつもりなのだろう」が連発になってしまう。