自民党はなぜ的外れなのか

2021-03-16 00:00:34 | 市民A
先に題名を書いてから、考え直すと、他の党も的外れのことばかり言っているのかもしれない。

とはいえ、戦後の大部分の期間、自民党が政権与党であったことを考えると、ある時期までは、そう的外れではなかったのだろう、とも考えられる。おそらく、2000年から2010年の間にずれはじめていたのではないだろうか。

現首相は、最近はやめているようだが、多くの人と朝食や夕食をとりながら情報収集をしていたし、前の首相も多くの財界人や友人とゴルフを楽しんでいた。与党政治家のもとには陳情団や紹介者が訪れる。

要するに、一般国民ではなく、大中小の企業経営者や、業界団体人、一部の御用知識人といった人たちと助け合いながら政策運営をしていた。その流れの中で省庁統合も行われ、科学技術庁や労働省や経済企画庁といった各種利害関係から遠い役所は本省に吸収されてしまった。

それでも、それなりにうまくいっていたのは、企業や同業者組合といった組織の目標が、それほど国民の利益と相反していなかったからだ。会社は利益をあげれば法人税を納め、従業員の給料を上げ、系列企業から仕入れたり下請けに出したりしていれば、全体として国内にお金が回って潤うはずだった。

ところが、現代は多国籍企業化が進み、モノをつくるのはアジア各国、売り先も世界中、海外法人が利益を上げ、連結決算上は利益が出ていても単体企業(国内)の業績はまったく冴えないで縮小の一途で、終身雇用の正社員など雇えないし、低賃金。企業経営においては税金を払わないのが美徳とされる。

つまり、国民の多くからは的外れになってきているわけだ。そもそも政権運営は、国政選挙による結果を重視する必要があるが、むしろ企業経営者の意見を重視しているように見える。GoToで露見したように、大手旅行代理店が大儲けして、全国の宿泊業者やお土産業者などが少し儲かる仕組みとか、飲食店を重視した補助金とか、外で宴会ばかりやっている人以外、二の次のはずが、イノイチになっている。

他党の方も、ミクロ政策は得意だが、日本全体をバランスよく改善するためのマクロ政策を立てようにも、そういう能力がない。政権運営能力がないというよりも政策立案能力がないということだろう。

要するに、与党政治家も、野党政治家も、官僚も、そして国民も質が二流である、ということだろう。