MIHO MUSEUM

2016-07-03 00:00:00 | 美術館・博物館・工芸品
滋賀県の山奥にあるMIHO MUSEUMだが、なかなか足を延ばす気にならなかったのだが、建物も、そして展示品も一級品であるという噂はかねがね耳にしていた。

当日は、実は織田信長の築いた幻の安土城に向かったのだが、鉄道で琵琶湖線に入るとかなりの雨が降ってきた。安土城は事前調査では、かなり歩く(あるいは貸自転車)し、山の中の立派な石階段を登ることになるはずだ。またマムちゃんもいるらしい。まったく雨の日の城攻めは向いてない。もちろん私が明智光秀で、信長襲撃後、一刻も早く安土城を我が物にしなければならないという状況なら別だ。雨の方が織田方の火縄銃部隊には不利だからだ。

ということで、周辺次点候補のMIHO MUSEUMに行くことになった。ここも雨よりは晴れの方がいいのだが、屋外展示は美術館そのものなので、まあ少し濡れるだけだろう。

ということでJRの石山駅で降り、数十分待ってからバスに乗る。時間は50分。長い。そして山道である。気付いたのは百人一首で有名な「瀬田の唐橋」を渡ること。もみじの葉が大量に流れているはずだが、季節が違うので複数の大学のボート部の練習場と化している。実は、この川をどんどん上流にさかのぼっていくわけだ。途中の道は細く曲がりくねっている。地名は甲賀。忍者の里だ。

miho1


そして、美術館を運営するある宗教団体の本部のさらに先に進むと、森の中に受付棟があらわれる。入場料を払い、雨なので電気自動車でトンネルをくぐり南北に分れる本館に向かう。雨の日は地下から入るため、いきなり古代中国(殷)の展示室に入ると、ここに大変なお宝があるわけだ。

詳しい展示品はHPで確認いただきたいが、値段を付けると1億円以上と思われる物体が確実に2個(あるいはもっと)はあると思う。

ちょっと足を止めてガラス越しに鑑定するしかないだろう。ということで、この部屋でかなりの長い時間を費やすことになる。古いものとしては、エジプト関係でもあまり日本ではみられない造形の猫や隼の彫刻がある。

miho2


まったく、どうしてこういう物を集められるのだろう。こういう場所に来ると、全国にある多くの県立美術館や市立美術館がかわいそうになる。

そして当日は、「茶釜」を全国から無数に近く集めて、「即売会」のように大展示会が行われていた。ある意味茶釜は、お湯を沸かすだけの道具といえばそれまでで、現代では「ティファール」という優れものがある。電子レンジでも簡単に湯をわかすことはできるが、茶席では、便利ということばは使われないというか、「便利でない」ということが茶道の掟の一つだろう。湯を沸かすことにも意味がある。湯を沸かす時の釜の音一つにも美学がある(はず)。

帰りは小振りになっていたので電気自動車ではなく歩くことにした。山ではあるが道の両側はかなり手入れがなされていて、マムちゃんは出そうにない。バスに乗って山を下り、ウトウトしているうちに石山駅に戻る。

10年ほど先に夢に出てきそうな記憶が一つ増えた。