カードで気分はメトロ感覚??

2006-04-18 06:24:37 | マーケティング
8a36d85e.jpg両親の入院&手術&介護&見舞い&介護保険申請等で動き回らなければならなかったが、とりあえず開腹手術終了。問題は一つずつ進んでいる。3月末の状況では、あらゆることが同時発生だったが、4月中旬になり、スケジュールは緩急まだら状態になり、時間に余裕がある場合は、地方都市の常として、ローカルバスで移動することもある。

ところで、バスの話だが、昨年あれこれ遊んだ「お城めぐり地方行脚」でも、見知らぬ地でバスを利用することは難しい。理由を羅列すると、

1.目的地にどのバスが行くのか、なかなかわかりにくい。
2.どのバス停で降りるべきかわからない。
3.時刻表がわからず、予定が立たない。
4.バスの乗り方がわからない。(前乗りか後乗りか)
5.運賃支払いシステムがわからない。
などだ。

このうち、1・2は総合掲示版、車内表示など、3はネット情報などで補完するべきだろうが、問題は4・5といった人為的なバス乗車ルールが都市によってバラバラということだ。

私は横浜の住人なのだが、実は横浜のバスはきわめてアバウト方式。たまに足を捻挫した時などに利用するのだが、全区間一律料金で210円。1区間でも50区間でも同じ。首都高速方式(現在)と同じだ。都バスも同様。

したがって、横浜ではバスに乗るのが前乗りで先に210円をはらい、到着地で後ろ降りになる。プリペイド式のバスカードも最初に一回通せば終わり。簡単ではあるが、一律料金でいいのか?という気もする。

一方、地方都市の大部分は区間変動料金制である。つまり鉄道と同じ方式で、乗った駅と降りた駅の距離で運賃が決まる。乗車地では、まだ降車地は決まっていないので後乗りで番号付きの整理券を受取る。慣れてないと整理券を取り忘れるのはいつものことだ。そうすると痛い目に会う。そして、運良く整理券を受取り、運転席の後ろに出ている整理券番号別の運賃表を見ていても、実際の目的地に到着したときに幾らになっているかは、わからない。さらに、どこで、いつ降りなければならないかに注意を払わなければならない。心を許せない状況になる。

そして、あと数駅で目的地ということを、きわめて不親切な車内のバス路線図で確認したあと、小銭を用意する。だいたい妙な金額になる。290円とかだ。そして、次の停留所というところで車内の押しボタンを押すと、料金表が一斉に変わったりする。320円とかになる。あわてて小銭を揃えなおそうとすると、車内にコインを撒き散らしてしまったりして、拾おうとすると、バスが急ブレーキをかけたりして転んでしまって、スーツが真っ黒に汚れたりする。前の方の席はみんなシルバーシートだから後ろの席から一番前の出口まで行かなければならない。まあ、そんなところだ。


ところが、新兵器があった。「バス共通カード」というシステムだ。あらかじめ購入したカードを後ろから乗るときに、書き込み機に入れると乗車履歴が書き込まれる。そして整理番号など気にせずポケットに入れておいて、降車地で、再度カードを読み取り機に入れると、自動的にバス料金が引き落とされる。小銭をばらまく危険がなくなったわけだ。要するに地下鉄や私鉄での「パスネット」とほぼ同様の仕組みである。

なにか、カード一枚で、地方都市が銀座線に変身したような感じがする。しかし、残念ながら絶対的に違うこともある。

それは、降車ボタンを押さなければならないことだ。

さらに、もう一つ大きな違いがあるのだが、それを言ってはおしまいというものかもしれない。

地方バスと銀座線の最大の違いは、「地方バスは、あくまでもバスである。」ということなのである。