ポジション調整のことから話は広がる

2006-04-12 15:08:39 | MBAの意見
昨日の続きになるが、両親別に、入院、手術、介護などの対応に追われ、自宅(横浜)、会社(東京)、病院・実家(近郊)、その他出張や若干の宴席などで住所不定状態になっている。従って、交通費は猛烈に膨らむし、自分のカラダは大切だから、特急(含む新幹線)やグリーン車やタクシーを多用。つい、会社で「交通費だけでも、おカネがかかって大変」とこぼしたところ、周りからは意外な声が・・

「株で儲けているんだからいいじゃないか・・」

う~~~ん・・・・・。そう見られていたか・・。まあ、貧乏人と論戦してもしょうがないが、きっとそういう発言をする人間は、日頃私が、会社のパソコンで、時折カチャカチャと猛烈な勢いでキーボードの上でピアノ狂詩曲を弾いているのを見て、「デイトレみたいなことしているな」と疑っていたわけなのだろう。まあどうでもいいが。

実際は、株価と損益を見ることはあるが、それは一瞬。数秒で終わる。だいたい、会社でデイトレなど物理的にできるわけない。それに、あまり日本株そのものをやっているわけではない。リスク分散で10社近くは持っているが、基本的には3ヶ月単位で見直していて、あとは他の金融資産とのバランスを見ているわけだ。日本株、国債、中国株、内外のREIT、商品ファンドに、金、プラチナ、パラジウム、何本かの危険なエマージングファンド、数種類の外国通貨、食用動物など・・。要するに価格変動するものの時価評価をしょっちゅうしている(もちろん深夜にだが)。

それは何のためかというと、いわゆるポジション調整ということ。たとえば、株が急騰すると、株で持っている資産の比率が上がる。そうすると、全体としてリスクが増えるので、少し売却し、比率の低くなったものを買いなおす。これを繰り返しているだけなのである。結果、「利益確定」と「底値買い」ということになっているのだと思う。さらに、長くやっていると、日本株が下がってもあまり損が出ないようなポートフォリオがわかってきて、狼狽しないようになってきた。

ところが、確か今年3月の後半に株が下がった局面があって、世間では年金筋の運用上の「ポジション調整」とか言っていた。ああいう大手は半年とか一年に一回しか調整しないのかとちょっと驚く。まあサラリーマン仕事とはそういうものだろうか。

それで自分の話になると、株は3ヶ月ごとにまとめて買って、時々、現金化するというのが現状で、あまり動かさない(もちろん考えていたシナリオが崩れれば損切りしてあきらめる)。ところが、そういうことは、株をやっている人にしかわからない話なので、いずれそういう話のわかる友人が増えてくる。数あるクライアントさんと酒を飲んでも、話して盛り上がるのは仕事の話ではなく、個人的な投資の話であるのは夜の席の定番だが、時々、わけのわからない人間が混じっている。「投資は定期預金だけ」というような人間である。当然ながらあまり持っていない。

会社というのは奇妙なもので、勤務中は、同じような生活をしているのだが、勤務時間が終わると突然、身分が変わる。極端な言い方をすると、金持ちと貧乏人である。金持ちというとおおげさなので、「ゆとりのある人」程度でいい。

歯の治療をするときに、多少は自費負担でいいと思っている人は多いが、中には全部保険でなければ・・という人もいる。3人でちょっと離れた飲み屋に行こうとすると一人だけタクシーはやめようという。そういう人間に限ってタバコを吸って、こちらのスーツに臭いを移す。中年になると腰痛になるのは、人類がアフリカ大陸で直立した日から始まる宿命なのだが、上手なカイロプラティックは時間単価は高いが数回で終わる。下手な整形外科医は保険が利くが、一向に直らず、いずれヘルニア手術に追い込まれる。しかし、カイロ派はあまり貧乏人には紹介しない。ああだこうだと理屈をつけておカネの必要なところには行かないことを知っているからだ。

ゆとりのある人は会社では、わざと小さくなっていて、ゆとりのない人は、逆に背伸びをする。

まあ、そういうのを見分けなければ快適な会社ライフは過ごせないのだが、見抜くのは難しい。経験的には、ケチを見つける最良の方法は、「靴を見る」ということだ。ゆとりのある人は10,000円以下の靴を履くことはない。