CB750Fの作業は終了しましたが、引き続いてカワサキKZ1300に手を付けることになりました。作業内容はエンジンとフレーム全般の分解作業に加えて、カスタマイズも一緒となると長丁場になりそうです。
いかにも超重量級なのでエンジンを降ろすには腰上を外してからと思います。
これは、この直前に作業したCB750Fのカム周りの画像ですが、カワサキのほうは”2バルブにしても”とてもシンプルです。
ワタシにとって、KZ1300のエンジンを分解整備するのは初めてのことなので事前にリサーチしてみるとウオーターポンプがかなりの難関なようです。
古いバイクをリビルトしようとすると時には思いもしないトラブルに遭遇しますが・・・。
これはただでも作業しにくい同調アジャストスクリューが壊れていました。おそらくロックナットを緩めずにスクリューを回そうとしたのでしょう。
このままでは後の作業に支障をきたすので何とかしなければなりません。
アジャストスクリューは単体の設定があるので部品番号は特定できましたが国内調達は無理のようでした。
そこで汎用の細目キャップスクリューを通販で買って、ダイアモンド砥石のカッティングディスクを使い卓上フライスでドライバー溝を加工します。
反対側は旋盤で削っておなじような形状に加工しました。まだ加工が甘いようなのでスロットルシャフトのリンクに合わせて要調整ですね。
40年も経ったバイクは、様々な人がそれぞれの思いと方法でメンテナンス?をしていますので中々簡単には事が済みません。
今年の初めから手をかけているXLV750Rも晩秋の気配を感じる頃になってやっと完成の目処が立ってきました。
ここで振り返ると気になっていた点がいくつかありますが、これはバッテリーとマフラーの位置関係。バッテリーには元々遮熱材がされていてボロボロになっていたので汎用品で代替しましたが、熱くなるマフラーに囲まれています。高温に弱いバッテリーの位置としては最適とは言えない気がします。
モデルデビューした1983年といえばHY戦争の後期であり、ホンダは決着をつけようと毎週ニューモデルを発表しようとしていた時期です。そこで当時盛り上がっていたパリダカで1982年の2輪部門で覇者となったXR550のイメージを使ってアフリカツインの先祖となったのがこのXLR750Rだったのでしょう。ちなみに86年から89年まで連覇したNXR750はアップマフラーではなくダウンマフラーです。
マフラーはサンドブラストのキャビネットにやっと入るサイズなのでブラスト仕上げは結構大変でした。
スイングアームピボットのベアリングはグリースが残っていた割にはレースとローラーが腐食していました。シャフトドライブのためピボットシャフトは貫通できないのでベアリングの奥は行き止まりです。
ベアリング類はすべてメンテする予定でしたのでスイングアームはどっちみち外すことになっていましたが、グリースニップルもないブレーキペダルピボットはいかがなものか。これをメンテナンスするにはスイングアームを外さないと抜けないとは、マフラーのレイアウト同様煮詰め不足と思わざるを得ません。まあ昔のバイクを現在とやかく言うのはヤボというものですが、80年代初頭は今から考えても特別な時代だったのでしょう。