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平成21年1月13日、衆議院議員渡辺喜美(わたなべ よしみ)さんが「政治家としての義命により自由民主党を離党」されました。

先日から渡辺さんの記者会見などを見聞きしていて「義命」という言葉が気になっていたので調べました。その結果、これは「春秋左氏伝」の成公八年の条に「信以て義を行い、義以て命を成す」とあることが分かりました。終戦の詔勅刪修について:安岡正篤「一日一言」|致知出版社-安岡正篤先生のページによります。やはり出典は漢籍でした。「春秋左氏伝」は名前だけ知っています。日本書籍出版協会で検索すれば明治書院などの発行図書が見つかると思います。ヤフオクなどで安く手に入るかも知れません、もしかするとこのチャンスに値上りか(^o^)

安岡正篤記事に書かれている「終戦の詔勅」は国立国会図書館に終戦の詔書 1945年8月14日があります。確認するとなるほどこの「義命」は使われていません。私は初めて経緯を知りましたので下記に引用させていただきます。

先生はその刪修に当たって、「義命の存する所」と、「万世の為に太平を開かむと欲す」の二点を挿入されたほか、陛下の重いお言葉として文章についても手を入れられた。
「義命」については詔勅の中で、陛下が「堪へ難きを堪へ」よ、とおおせられておられる宸襟を拝察して、それにふさわしい天子としての重いお言葉がなくてはならない。そこで「義命」という言葉を選ばれた。

出典は中国の古典である『春秋左氏伝』。その中の成公八年の条に「信以て義を行い、義以て命を成す」とある。従って、普通にいわれる大義名分よりもっと厳粛な意味を持っている。
国の命運は義によって造られて行かねばならない。その義は列国との交誼においても、国民との治政においても信でなければならない。その道義の至上命令の示す所によって終戦の道を選ぶのである。
「万世の為に太平を開かむと欲す」も「永遠の平和を確保せむることを期す」より強く重々しい。これは宋初の碩学・張横渠の有名な格言「天地のために心を立て、生民の為に命を立て、往聖の為に絶学を継ぎ、万世の為に太平を開く」からそのままとったものである。

「国民には分りにくいから変えた」閣僚というのは何時の時代も変わらぬ「大きなお世話のパターナリズム」というか、同じ「臣民」であるのに差別当然と思っているヤカラと言うべきか(^o^)・・・
ちなみに、刪修(さんしゅう)とは、「編集」作業のうち特に、文章や字句の悪いところ・不要なところを削ったり訂正したりして、よいものに変えることだそうです。これも初見の言葉でした。参照したのは「律令官制の沿革」ページの用語解説です。

偉大な知性に出会ってため息が出ます、ネットを捨てて図書館に通おうか。でも開架式の書架に見つからないと私は帰って来ちゃうのです(^o^)

本文にリンクした「終戦の詔勅刪修について」は 『戦後、日本は大きく繁栄した。しかしこの繁栄の基礎に、「信以て義を行い、義以て命を成す」。義命が存していたならば、物が栄えて心が亡ぶと識者が顰蹙するほど、人の心は荒廃せずに済んだであろう。』と終わっています。私のパソコンIMEに「義命」を辞書登録しておくことにしました。経団連、高級官僚、etc. の皆さんの辞書には永久に登録されないかも知れませんが・・・

渡辺喜美さんの「檄文」(^o^)の中にあった「天下り公認政令」というのが気になって確認したら、平成20年12月19日(金)の閣議案件に入っていてこの日以外には閣議案件バックナンバーに見当たりません。「職員の退職管理に関する政令」が該当するようです。但し私が確認したのは、「最終改正:平成二〇年九月一九日政令第二九七号」です。
中川秀直オフィシャルブログで 2009-01-09 (「職員の退職管理に関する政令」)「渡り」の原則禁止が出ていました。『政令は法律の下位に位置し、法律の実施に必要な技術的なこと記しているものであり、法律を否定することはあり得ない。昨年12月19日に閣議決定された「職員の退職管理に関する政令」が国家公務員法改正の趣旨を否定することがあってはならない。』ということです。俗に法令と言いますが、私が知る限り法律は後から政令でどうにでもなるように制定するテクニックがあるらしく、IT関係の問題はそういうところで出て来るような気もしています。六法全書など手元に無くても、国民が閣議の中味から法令まで確認できるという u-Japan を活用していきたいものです、でもね、出来ちゃってからじゃオシマイヨ、それを事前にキャッチして変なものを作らせない為に行政側の情報公開が大切だし、一般市民のブログ発信があるのかも(^o^) 住基ネットカードを図書館利用カードに使う問題を思い出した。渡辺さん、中川さん、そして「街の巨匠」に感謝。



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